村田機械は7月22日、CAN通信をネットワーク化するデバイスサーバ「CDS-1150」を発表した。

確実な通信が可能なCANは、車載機器用の通信プロトコルとして1980年代に開発されたが、現在ではその高い信頼性から産業機器やライン制御まで用途が広がり、ロボットや医療機器、船舶などでも利用されている。近年、こうしたCAN通信情報のコンピュータネットワークからのモニタリングや、CANプロトコルで通信している機器同士の無線接続などへのニーズが高まっている。

同製品は、こうした要望に応え、グループ会社であるサイレックス・テクノロジーの持つデバイスサーバ技術、無線技術を活用し開発された。Converter modeでは、CANの通信データをTCP/IPに変換し、LANや無線通信経由で情報を取り出し活用することが可能。さらに、アクセスポイント機能とDHCPサーバ機能により、タブレットやスマートフォンから直接アクセスし、モバイルデバイスからCANバス上のCANフレームデータをその場で入手することができる。

また、同製品のCANコントローラはCAN 2.0Bアクティブ、 ISO11898 high speed(最大1Mbps)に対応しているほか、Ecable modeでCANプロトコルによる無線通信も可能で、CAN通信を行う機器間のケーブルレス・無線化が実現。同社の産業機器用リモートメンテナンスパッケージと組み合わせることで、対象の機器のCANバスの情報を取り出して、遠隔地からの監視・診断なども可能となる。

さらに、有線・無線の両方をサポートしているほか、有線LANはギガビットEthernetの高速通信をサポート。加えて、USBポートを介して設定ファイルの書き込みやログの保存にも対応するなど、多様なニーズに対応できる。

なお、価格は8万9800円から。取り付け費用は別となっており、同社では年間300セットの販売を計画しているという。

村田機械のCAN通信をネットワーク化するデバイスサーバ「CDS-1150」