俳優の松田龍平が、主演映画『舟を編む』が第17回プチョン国際ファンタスティック映画祭に正式出品されたことを受け19日、開催地の韓国・プチョンを訪問し、同映画祭で舞台あいさつを行った。

第17回プチョン国際ファンタスティック映画祭に出席した松田龍平

前日にはオープニングセレモニーが行われ、松田はレッドカーペットに登場。セレモニーでは、イ・ビョンホンやチョン・ジヒョンらと同席し、観客から大きな声援を受けた。翌日の上映会場には若い女性を中心に多くの観客が来場。上映終了後、大歓声と拍手を受けながら登壇した松田は、「アニョンハセヨ、松田龍平です」とあいさつし、「プチョン映画祭に招待いただき、ありがとうございました。プチョンの街を楽しんでいます。映画を楽しんでいただけたら幸せです」と感謝の気持ちを述べた。

『舟を編む』は、直木賞作家・三浦しをんの同名小説を原作に、辞書(舟)を編集する(編む)人々の姿を描いた作品。『君と歩こう』(2009年)、『あぜ道のダンディ』(2011年)などで知られる石井裕也監督がメガホンを取り、松田のほか、宮崎あおい、オダギリジョー、麻生久美子、黒木華らが出演した。この日は観客との質疑応答の時間が設けられ、松田に数多くの質問が寄せられた。

「恋」の語釈を求められた松田は、「難しいですね」と言いながらも、自身が演じた馬締光也の語釈「ある人を好きになってしまい、寝ても覚めてもその人が頭から離れず、他のことが手に付かなくなり、身悶(もだ)えしたくなるような心の状態。成就すれば、天にものぼる気持ちになる」に触れ、「なかなか成就しないもどかしさが出ていてすばらしいと思います」と語っていた。

また、「アナログとデジタルはどちらが好きですか?」の質問には、「―個人としてはどちらかというとデジタル派ではありますが」とし、「言葉を調べるときすぐにネットなどを使うのではなく、辞書を使うというある種の"寄り道"する面白さをこの映画で伝えられたらうれしいです」と勧めていた。

同作は、8月9日から台湾で、8月22日から香港で公開されることが決定(いずれも現地時間)。これまで香港国際映画祭、シアトル国際映画祭に出品され、今回のプチョン国際ファンタスティック映画祭以降も、ANA Eiga Series、マレーシア日本映画祭2013、ファンタジア国際映画祭、オズアジア・フェスティバルなどの海外映画祭への出品を控えている。