1996年に公開された北野武監督作『キッズ・リターン』のその後の物語が『キッズ・リターン 再会の時』(10月12日公開)として映画化されることが18日、明らかになった。北野監督の助監督を務めていた清水浩がメガホンを取り、俳優の平岡祐太と三浦貴大が主役に抜てきされた。

映画『キッズ・リターン 再会の時』に出演した平岡祐太(左)と三浦貴大

『キッズ・リターン』は、落ちこぼれの同級生・シンジ(安藤政信)とマサル(金子賢)が葛藤しながら大人の世界に踏み込む青春映画。高校卒業後、シンジはボクシング、マサルは裏社会というそれぞれの道を歩みはじめるも、越えられない壁にぶつかり挫折してしまう。「オレたち、もう終わっちゃったのかな?」「まだはじまっちゃいねぇよ」というセリフは、当時の若者の間でも話題に。今作では、その10年後のシンジとマサルが描かれている。その間、会うこともなかった2人。ボクシングを辞めていたシンジはアルバイトに明け暮れ、マサルは出所したてで、ヤクザに戻るほか生きていく術がなかった。そんな2人が、あるきっかけで再会。互いにくすぶっていた心に火がつき、マサルの「見返してやろうぜ」の言葉に、シンジは再びリングに上がる。

17年ぶりの復活に、原案のビートたけしは「清水監督のイメージに沿って自由にやってみればいいんじゃない。映画は基本的に監督のものだからさ。後は一人でも多くのお客さんに喜んでいただければ。公開を楽しみにしているよ」とコメント。清水監督は「どの世界で生きる人にも共通するところは多いと思う」と今作を紐解き、「負けるかもしれないけど、リターンマッチしてみるかって少しでも思ってもらえたら、幸いです」と作品に込めた思いを語っていた。

シンジ役の平岡は、3カ月以上にも及ぶ本格的なトレーニングを積み、プロボクサーも認める強靭な肉体を作り上げた。「本作への出演が決まった時は、信じられないという気持ちが大きかったです」と当時を振り返りつつ、「それと共に、とても多くの方々から愛された伝説的な作品だと思いますので、 前作を凌ぐものにしたいと考えました」と意欲満々。同じくマサル役の三浦も、「すばらしい前作があり、そのファンの方も多くいる中で、期待を裏切らないものを作り、マサルを自分がどう演じられるのかは非常に不安でした」とプレッシャーを感じつつ、現場に臨んだ。

また、今作では新たなキャラクターも登場。シンジを陰で支えるマナミ役に倉科カナ、マサルの弟分・ユウジ役に中尾明慶、ボクシングジムのトレーナー役に小倉久寛、マサルのオジキ役に杉本哲太、ジムの会長役にベンガルのほか、池内博之、市川しんぺーといった豪華俳優陣が脇を固めている。

(C)2013『キッズ・リターン 再会の時』製作委員会