カリフォルニア くるみ協会(California Walnut Commission:CWC)は6月21日(米国時間)、1日2オンス(約56g)のくるみを8週間食べた場合の効果を調べたところ、過体重で心臓病か2型糖尿病にかかるリスクのある成人において血管の機能(血管内皮機能)が改善されることが判明したと発表した。

同成果は米コネチカット州のエール・グリフィン予防研究所のデイヴィッド・L・カッツ所長らによるもの。詳細は米国栄養学会雑誌「Journal of the American College of Nutrition」に掲載された。

心臓病は世界で主要死因の1つとなっており、2型糖尿病患者も世界で3億4700万人にのぼっている。日本では、心臓病患者はおよそ160万人、糖尿病患者は270万人で、その糖尿病患者の95%以上が2型糖尿病である。

糖尿病予防のカギになるのが食事と生活習慣の変更であり、近年の研究から脂質の総摂取量よりもどんな種類の脂質を摂るかのほうが2型糖尿病の発症に大きく関わっていることが示されるようになってきた。

くるみには植物性オメガ3脂肪酸のアルファリノレン酸(ALA)を1サービング(1オンス:28g)あたり2.5g含んでいることが知られており、今回の研究はそうした健康促進に関する栄養素に着目して行われた。

実際の試験は、自由生活方式を採用し、被験者の食事にくるみを加える形で行われたが、被験者の体重が増えることはなかったという。研究グループでは、おそらく、くるみの摂取量を増やすことにより満腹感が持続され、それ以外のもっと栄養価の低い食品の摂取量が減ることで得られた効果で、心臓病を防ぐ助けになる証拠として期待が持てる結果を得られたとコメントしている。