韓国で行われた「第14回全州(チョンジュ)国際映画祭」のインターナショナルコンペティション部門で作品賞を受賞した映画『風切羽』が22日、公開初日を迎え、小澤雅人監督のほか秋月三佳、戸塚純貴、川上麻衣子らが舞台あいさつを行った。

前列左から戸塚純貴、秋月三佳、小澤雅人監督、後列左から石田信之、川上麻衣子、重松収、寺田有希

『風切羽』は児童虐待や親子のゆがんだ愛をテーマにした作品。小澤監督が自ら脚本も書きおろしている。母や姉から虐待を受ける主人公・サヤコ役の秋月と、自分探しをする青年・ケンタ役の戸塚は、ともに本作で映画初主演を果たしている。

初日を迎えた感想を聞かれた秋月は「昨日まで不安でいっぱいでした。でも、こんなにたくさんの方にお集まりいただいて本当に幸せです。これから先の人生においても、忘れられない幸せな一日になりました」とあいさつ。戸塚も「初主演作ということで、思い入れが強い作品です。社会性のある作品なので、ご覧になって何か思うことがあれば、みんなで話し合ってください」と感慨深げに話した。しかし、撮影時の思い出を聞かれると表情が一変し、「自転車の後ろに乗るシーンがあるんですけど、お尻が痛かったです(笑)」(秋月)、「僕はとにかく自転車に乗っていました。撮影の時だけじゃなくて、現場移動するときも監督と2人で自転車で移動したほどです」(戸塚)と微笑ましいエピソードを披露した。そんな2人の演技について、小澤監督は、「俳優陣の皆さんの芝居を信頼して撮っていたので、楽しかったですね。特に若い二人は本当によく頑張ってくれました。成長株の二人なので、温かく見守ってあげてください」と称賛した。