日本人材派遣協会は6日、派遣社員および派遣経験者を対象とした「全国派遣社員1万人調査」の結果を発表した。同調査は、2012年10月1日~12月31日の期間にインターネット上で行われ、1万17人(平均37.1歳)から有効回答を得た。
まず、派遣社員のプロフィールを尋ねたところ、84.5%が女性、15.5%が男性となり、男性の比率は過去3年と比べて約1.5倍に増加。家族構成については、63.0%が未婚者、37.0%が既婚者となった。
働いている業務を聞くと、最も多かったのは「OA事務」で29.7%。以下、「その他オフィス業務」、「営業事務(国内取引文書作成)」、「その他営業・販売・サービス業務」と続いた。
賃金形態は「時給」が82.2%。時給額は「1,400~1,600円未満」が25.6%でトップ、平均金額は1,430円だった。全国の短時間労働者(パートタイム労働者)の平均時給は1,026円(厚生労働省調査)で、派遣社員はそれを約4割上回った。勤務時間は1日8時間が主流で、労働時間と休日数に67.0%の人が満足していた。
「正社員で働いたことがある」人は80.3%。このうち、53.6%が5年以上正社員として勤務していた。正社員を辞めた理由は、「体力的・精神的な負担が多かったため」が31.7%で最多。次いで、「仕事と生活の両立が困難だったため」が23.5%、「労働時間が多かったため」が22.5%、「残業が多かったため」が20.7%となった。
派遣社員という働き方を選んだ理由の1位は「仕事と私生活の両立がしやすいため」で34.7%。以下、2位は「働く期間・時間を自分で選べるため」で32.1%、3位は「すぐ仕事に就けるため」で31.1%と続いた。
派遣社員として働く中での「生活の充実感」を質問すると、13.7%が「満足」と答え、「まあ満足」と合わせると59.4%に上った。一方、「不満」「やや不満」は計18.0%にとどまった。
人事評価と処遇について、「不満」「やや不満」と回答した人は計37.1%。それに対して、「満足」「まあ満足」の割合は計30.4%となった。雇用の安定性については、「満足」「まあ満足」と答えた人は計23.3%。反対に、「不満」「やや不満」は計53.4%となり、「満足」を大幅に上回った。
この先派遣社員として、どのくらいまで働きたいかと聞くと、44.2%が「働ける限り続けたい」と回答。また、派遣で働き続けることがキャリアアップに「役立つ」と考える人は半数以上の55.8%に上った。
派遣法の改正に関しては、「派遣法が改正されるたびに、就業機会や条件など悪くなっていっている気がします。現場の声を届けてもらいたいです」といった不満の声が多数寄せられた。