日本民営鉄道協会は22日、大手民鉄16社における鉄道係員(駅員や乗務員など)に対する暴力行為の件数・発生状況について発表した。2012年4月から2013年3月までの間に発生した暴力行為は231件となった。

深夜の時間帯、飲酒が原因の暴力行為は依然として多い(写真はイメージ)

今回の集計は東武・西武・京成・京王・小田急・東急・京急・東京メトロ・相鉄・名鉄・近鉄・南海・京阪・阪急・阪神・西鉄の大手民鉄16社が対象。2008年度に236件と大幅に増加して以降、鉄道係員への暴力行為は毎年200件以上と高い水準で推移している。

暴力行為が発生した場所の1位は「ホーム」で81件、2位は「改札」(70件)、3位は「車内」(42件)の順に。暴力行為の発生する時間帯は深夜22時以降が123件と最も多く、「飲酒あり」の加害者が全体の77%(177件)を占めた。契機別の発生件数も、「酩酊者に近づいて」が63件で最多。次いで「理由なく突然に」が2位(59件)、「迷惑行為を注意して」が3位(57件)という結果になった。深夜の時間帯、利用者の飲酒が原因で被害を受けるケースが依然として多く、さらに理不尽な暴力行為も増えていることがうかがえる。

今回の発表では、暴力行為の具体的事例も紹介されている。喫煙行為を注意して負傷したケースのほかに、「お客さまが所持する特急券を確認し、『ありがとうございます』とお辞儀して顔を上げたところ、突然殴られた」「改札機でうまく入場できなかったお客さまの対応をしたところ、財布を投げつけられ、ネクタイをつかんで首を絞められ、顔面を殴打されて負傷(全治7日)した」などのケースも発生しているとのことだ。