鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「鉄道・運輸機構」)と相模鉄道は23日、相鉄・JR直通線事業に関して、開業時期を2015年度内から2018年度内に変更すると発表した。建設費も約683億円から約782億円となる見通し。

相模鉄道10000系

相鉄・JR直通線は、神奈川東部方面線の一部として、相鉄・東急直通線とともに進められている事業。相鉄本線西谷駅から東海道貨物線横浜羽沢駅付近までの区間に連絡線(約2.7km)を建設し、相鉄線とJR線の相互直通運転を実施。横浜市西部・神奈川県央部から東京都心部への速達性向上、横浜駅やJR東海道線での乗換回数の減少と混雑緩和を図る。

同線の整備主体は鉄道・運輸機構、営業主体は相模鉄道。開業時期の変更について、鉄道・運輸機構は、「東海道貨物線との接続部の工事の遅れなど」を理由に挙げた。横浜羽沢駅構内での営業線の配線切替えをはじめ、旅客・貨物列車が運行されない短い作業時間帯で工事を進めなければならず、工期短縮の工夫を最大限行ってもなお、開業時期は2018年度内になる見通しだという。

また、2009年の工事施行認可以降、「関係者協議による計画変更」「地質調査などの結果を踏まえた工法変更」「法令・基準などの改正」と、当初予想しえなかった事柄が発生したことから、建設費も変更されることになった。

今後は事業の再評価など必要な手続きを進めるとのこと。「可能な限りの工期短縮とコスト縮減に取り組んでまいる所存です」と鉄道・運輸機構は発表している。