公開初日を迎えた映画『舟を編む』の舞台あいさつが13日、東京・有楽町のピカデリー1で行われ、主演の松田龍平をはじめ宮崎あおい、オダギリジョー、黒木華、伊佐山ひろ子、小林薫、石井裕也監督が出席した。

左からオダギリジョー、松田龍平、宮崎あおい

第135回直木賞作品『まほろ駅前多田便利軒』などの人気作家・三浦しをんの同名小説を映画化した本作。人と人との思いをつなぐ"言葉"を整理してその意味を示し、もっともふさわしい形で使えるようにする"辞書"にスポットを当て、その辞書(舟)を編集する(編む)人たちの姿を描く。

出版社の玄武書房で辞書編集部に異動となった主人公の馬締光也を演じた松田龍平は「初日を迎えられて幸せな気持ちです。見れば見るほど味が出る映画だと思うので、よかったら何回でも見てください」とアピール。「一番最後に馬締が香具矢(宮崎あおい)に『これからもよろしくお願いします』と言ったシーンが好きですね。辞書ができて完成したけど、辞書作りも新しい言葉がどんどん生まれていく。人生も仕事も終わらない映画だと思い、いいシーンだと思いました」と振り返った。

一方、ヒロイン・林香具矢役の宮崎は「馬締さんが香具矢と会って、次の日に会社で恋の語釈を書いた紙をポケットに入れてオダギリさんに見つかった時に紙を出す仕草がすごく好きです」と語り、言葉が重要なテーマにもなっている本作に絡めて『好きな言葉は?』という質問に「"おもてなし"という言葉が好きです。食事に行ったりして気持ちいい"おもてなし"をされると嬉しい気持ちになります。やり過ぎると相手に気を遣わせてしまうし、至らないと"御もてなし"が出来てないと思いますし、とても難しいと思いますから」と答えていた。