メコンオオナマズ (C)世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

道端を歩く散歩中の犬や野良猫、都会の公園に集うハトに電柱にとまるカラス。見慣れた光景で、もはや気にも留めなくなっています。しかし、少しだけ視野を広げてみると、その慣れ親しんだ光景が、いかに狭い世界での出来事かが分かります。日本の社会に慣れ親しんでいると、まさかの大きさの巨大動物がこの同じ地球上に当たり前のように生息していることに、今さらながら驚いてしまいます。本記事では、世界最大級の大きさを誇る生き物にスポットを当ててご紹介します。

■世界最大級のカニ タカアシガニ

【生息地】日本周辺の太平洋側の海の水深200~400メートル付近

タカアシガニ (C)京急油壺マリンパーク

<世界最大級データ>
・足を伸ばすと3メートル以上にもなる種もいる
・ギネスブックにも掲載実績あり

まず初めにご紹介するのが、日本人がとっても大好きなカニ。中でも世界最大級の大きさのカニは、主産地が日本の駿河湾、土佐湾の「タカアシガニ」と呼ばれるカニで、生きた化石とも呼ばれています。その異常な脚の長さがかなり不気味です。他のカニと同様、食べられるそうですがが、その美味しさはタラバガニには劣るようです。国内では水族館でもお目にかかれます。関東では京急油壺マリンパークや犬吠崎マリンパークなど。

■世界最大級のナマズ メコンオオナマズ

【生息地】メコン川流域

メコンオオナマズ (C)世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

<世界最大級データ>
・植物だけを食べる淡水魚として世界最大級の大きさ
・体長3メートル、体重300kgにまでになったものが捕獲されたとの記録あり

次は、日本では口ひげで有名なナマズ。世界最大級のナマズは、「メコンオオナマズ」。驚くのはその大きさだけでなく、なんと「口ひげがない」こと!さらに「目が顔の下のほうについている」という特徴は、ある意味不気味です。この巨大ナマズは、メコン川の現地ではよく食されているようですが、絶滅の危機に瀕していることなどもあって漁獲制限されるなど、ナイーブな面も持ち合わせています。

日本国内では、アクア・トトぎふや、長崎ペンギン水族館にてお目にかかることが可能です。

■世界最大級の淡水ザリガニ タスマニアオオザリガニ

【生息地】タスマニア島の北西部の海岸

<世界最大級データ>
・平均体長は20~30cm、巨大な種では40cmほどになる

次は誰もが小学生のときに飼育体験するザリガニの世界最大級版です。その名も「タスマニアオオザリガニ」。寿命は40年ほどで、節足動物全般の中でもかなり長寿。ハサミも非常に大きく、ロブスターにも匹敵するほどだそうです。全身は青黒く、これもまた不気味さをいっそう引き立てます。もし、こんなザリガニが道端を這っていたら、間違いなく腰を抜かしてしまうことでしょう。現在は絶滅寸前の為に、捕獲は禁止されているようです。

■世界最大級のネコ メインクーン(Maine Coon)

【生息地】ニューイングランド地方メイン州が原産

<世界最大級データ>
・2010年に123センチ(48.5インチ)の種が、最も身長の長い猫としてギネスに記録された

続いて、世界最大級の大きさを誇るネコ。その特徴は、極めて賢く、手足が器用であるという点にあると言われています。棚の戸を開けたり、水道の蛇口をひねったりなどはなんのその。さらに普通のネコでは真似できない芸当は、足先を器用に丸めて物を持ち上げられること。よく飼い犬が、郵便物をくわえて持ってくるという話を聞きますが、このメインクーンなら手渡ししてくれるようです。また、仲間の猫や人間と一緒に食事をすることを好むそうです。脳が発達しすぎるあまり、寂しさという感情も覚えるのでしょうか?

■世界最大級の深海生物 クダクラゲ

【生息地】深海

<世界最大級データ>
・全長40m~50mほど

最後は、世界最大級のクラゲ。不気味さで言えば今回紹介する中で一番かもしれません。普通、クラゲというと丸い頭にひらひらした足が何本かあるイメージがありますが、この世界最大級のクラゲ「クダクラゲ」は、数ミリから数センチ程度の小さなクラゲがたくさんつながったものだそうなのです。

北村 雄一さん著の「深海魚摩訶ふしぎ図鑑 【改訂新版】 (生きもの摩訶ふしぎ図鑑)」によると、その小さなクラゲたちは、まとまりごとに運動専門、餌取り専門、子どもを作る専門など、それぞれが役割を担い、分業しているといいます。例えば、一番前のクラゲは運動の役割を果たし、彼らが動くことで全体が動きます。そしてその後ろに餌をつかまえる専門の群体がおり、触手を伸ばして餌をとるそうです。さらに、各群体同士での栄養などのやりとりも可能というのですから驚きですね。

つまりこのクダグラゲが体長が40m~50mほどと、生き物史上ありえないくらいの長さである由縁は、群体がクラゲを構成しているところにあるのです。深海で生き抜いていくために、クラゲたちも必死なのですね。

いかがでしたか?

世界最大級の生き物は、やはりどこか不気味な雰囲気をかもし出します。まるで、拡大機能ツールで拡大したかのような異様な感覚に、誰もが我を忘れてしまうことでしょう。眠った脳を活性化させたいとき、ブレインストーミングの前などに、この普段見慣れないこれらの世界最大級の生き物たちを思い出してみるのも良いかもしれませんね。