日本貿易振興機構(以下、JETRO)はこのほど、「日本食品に対する海外消費者調査(中国、香港、台湾、韓国、米国、フランス、イタリア)」の結果を発表した。同調査は、2012年12月6日~20日の期間にインターネット上で行われ、前述の7カ国・地域在住の20代~50代の男女2,800人から有効回答を得た。

まず、好きな料理かつ外食で食べる外食料理を尋ねたところ、米国を除く全ての国・地域において「日本料理」が1位を獲得(米国では3位)。国・地域別では、韓国が最も高く25.7%が「日本料理」と回答していた。

「好きな料理かつ外食で食べる外国料理はどれですか(複数回答可)(出典:日本貿易振興機構Webサイト)

好きな日本料理のメニューを聞くと、「寿司(ロール寿司含む)」「刺身」「焼き鳥」「天ぷら」などの定番メニューが国・地域を問わず人気を集めた。「寿司」人気はフランスが最も高く13.9%、「焼き鳥」も同じくフランスで15.3%、「天ぷら」はイタリアで12.2%だった。また、アジアや米国では「ラーメン」が、欧州では「カレーライス」が好まれることが判明。「ラーメン」については専門店の増加が影響していると見られ、「カレーライス」については「アニメが広まる中でカレーを食するシーンが描かれていることが多いことから消費者に受け入れられている」(JETRO)とのこと。

「好きな日本料理メニューはどれですか(複数回答可)」 (出典:日本貿易振興機構Webサイト)

輸入食品などを購入する際に重要視する情報源については、欧米は「友人のすすめ」「過去に食べた経験」、アジアは「ネット」「ブランド」を重視する傾向にあることが判明。中でも、中国と韓国では「ネットのクチコミサイト、ブログ、SNS」(中国17.2%、韓国18.7%)のポイントが高かった。

日本以外の他国産の酒類(ビール、ワイン、ウイスキーなど)と比べた場合、日本産清酒を総合的な観点から4段階で評価してもらったところ、全体では81.1%から高評価(「非常に高く評価する」18.7%、「やや高く評価する」62.4%)を獲得。国・地域別では、中国が最も高く日本産清酒を評価しており、96.3%に上った。

日本産緑茶については、全体では90.3%が高評価(「非常に高く評価する」32.7%、「やや高く評価する」57.6%)。高評価の合計ポイントは中国が97.0%でトップとなったが、「非常に高く評価する」が最も高かったのはフランスで56.3%に上った。これは「近年フランスでは、カフェや家庭で緑茶が身近な飲み物として浸透を深めていること、緑茶の抗酸化作用が老化対策に有効として女性に注目されていること」(JETRO)などが背景として考えられるという。

現状、輸入が難しいが食べてみたい日本産品を聞くと、全体では「牛肉」「桃」に高い需要が見られた。国別では、中国で「いちご」(81.8%)、韓国で「びわ」(46.5%)、米国で「さくらんぼ」(56.8%)、フランスで「鶏肉」(64.8%)への需要があることがわかった。