「ポンポコラーメン」は、1箱/6食×6個入りで3,000円(通信販売価格)

レトロブームの復活により、近年、名古屋のローカル即席ラーメン「キリンラーメン」が全国的に脚光を浴びている。しかし名古屋には、他にも地元の人に長年愛され続けているラーメンがある。その名も「ポンポコラーメン」。タヌキのキャラクターが目印の、なんとも親しみやすい雰囲気の商品だ。

大正生まれのメーカーの40年選手

製造しているのは、豊川市にある山本製粉。創業はなんと大正5年(1916)というから相当な老舗である。中でもポンポコラーメンは、40年以上の歴史があるロングセラーなんだとか。

販売エリアは東三河や浜松などの地元が中心のため、入手困難だろうと思っていたが、探してみると普通に(名古屋の)スーパーで売られていた。聞けば数量限定ではあるが、県内全域、そして県外でも販売しているそうだ。

さて、まずはパッケージチェック。入手したのは「お得な!(とパッケージに堂々と書いてある)」6食パックだ。太い赤の縦ストライプがインパクト大。「なつかしの味 ポンポコラーメン」とのコピーもほほえましい。ちなみに今回入手したのは「しょうゆ味」。他に「みそ味」「しお味」もラインナップされている。

イラストにはポッコリお腹のタヌキが2匹、そしてセリフが「おなかポンポコポーン!」。なんともシンプル極まりないデザインなんだろう。でも、だからこそ記憶に残るようで、発売から40年を経た今、「子どもの頃から食べ続けている」という年配のファンも多いのだとか。

少し濃い目のしょうゆ風味は、日本人好みのテイスト

来客のおもてなしにもなっていた!?

パッケージ背面には、「御家庭の常備食」のキャッチに対するコメントが記載されているのだが、現代の感覚で読むとそれが妙におかしいのだ。「おいそがしい時のお食事に」「お子様のおやつ、お食事に」「御来客のおもてなしに」の3点である。

「御来客のおもてなし」に即席麺をオススメする感覚が、いかにも昭和っぽいではないか。思わずほほえんでしまうが、同時にどこか懐かしい気持ちでいっぱいになる。子どもの頃、初めてインスタント麺を食べた時のうれしさがよみがえってくるようだ。

さて、思い出にふけりながらも、バリッと袋を空けて、ササっと作ってみることに。500ccの水を入れ、沸騰させてから麺を入れ、約3分煮込んでスープを入れたらハイ完成。実にカンタンだ。具材はお好みでOKだが、今回はヘルシーに野菜中心としてみた。

まず、スープのお味は? 意外にしょう油の風味が強い。キリンラーメンが豆乳風味でまろやかなのに対し、こちらはインパクトがあって濃い感じ。しかし、日本人なら誰でも好きな味だろう。

具材の野菜を食べ比べたところ、ネギなど多少刺激のある野菜の方が、スープといい意味でケンカをするためか、なじむ気がする。あと、スープに卵を溶き入れると、マイルドな味わいになるかもしれない。

麺はもちろん昔ながらの「油揚げ麺」。心なしか中太で、モチモチした食感を楽しめる。気になるカロリーは1食あたり約400キロカロリーと、まあ標準的だ。これくらいならポテトチップスより低いくらいだから、確かに「おやつ」としても有用かも。

中太でモチモチした食感が実にいい

このポンポコラーメン、キリンラーメンと同じくレトロの追い風を受けて、いま再び注目を集めている。とは言え地元の人にとっては、売れ行きなど興味の範疇(はんちゅう)外で、すでに日常に溶け込んでいる存在のよう。

筆者などから見れば、なんともお気楽なネーミングのこのラーメンが全国に浸透したら、きっと世の中がもっと平和になると思うのだ。だって、「今日のお昼はポンポコラーメンよ」、なんて言われてごらんなさい。いつもはクールを装っているあなたも、きっとくすりと笑ってしまうに違いないのだ。