ボルボ・カーズ・ジャパンは19日、都内で「THE ALL-NEW VOLVO V40」プレス発表会を開催し、世界初となる「歩行者エアバッグ」のオプション設定も可能な新型「ボルボV40」(以下、新型「V40」)を披露した。

「THE ALL-NEW VOLVO V40」プレス発表会で披露された新型「ボルボV40(ブイ・フォーティー)」

同車はボルボのラインナップで最小となる5ドアのプレミアム・スポーツコンパクト。エクステリアデザインには、コンセプトカーのような流麗なルーフラインを持つクーペフォルムを採用した。ショルダーラインがリアのドアハンドル付近で立ち上がるフック形状は、スポーツクーペ「P1800」や、それをベースとしたスポーツワゴン「P1800ES」へのオマージュだという。インテリアにも最上級の素材を使用。カラー液晶メーターパネルは「Elegance」「Eco」「Performance」の3種類が表示可能で、簡単な操作で瞬時に選べる。

ボルボの伝統を継承し、革新的なセーフティ・テクノロジーの思想が貫かれているのも特徴で、自動ブレーキシステム「シティ・セーフティ」も全モデルに標準装備。赤外線レーザーセンサーで前方車両を監視し、追突の危険性を感じると自動的にブレーキが作動して衝突を未然に回避・軽減する。同システムの作動速度域は、従来の時速30km以下から時速50km以下へと拡大されている。さらに、ボルボが世界に先駆けて実用化した「歩行者エアバッグ」もメーカーオプションとして設定された。

発表会にはボルボ・カー・ジャパン代表取締役社長、アラン・デッセルス氏も出席

「歩行者エアバッグ」を紹介するカットモデルも会場に展示されていた

近年、車内に搭載されたエアバッグなどの安全装備により、交通事故における運転者や同乗者の死傷者数は減少傾向にあるものの、歩行者の死傷者数は横ばいが続いている。そうした実情を背景に採用された「歩行者エアバッグ」は、車両が歩行者との接触を感知すると、緩衝材となるエアバッグがボンネットを持ち上げ、フロントウインドウに向けて展開するしくみに。万が一、車両と歩行者が衝突しても、フロントガラスの下部やAピラーの付け根などの硬い部分と接触して負傷しないよう保護するという。

これらの安全性能により、新型「V40」は2012年8月、ユーロNCAPの衝突テストで過去最高の評価を獲得。歩行者保護のカテゴリーでも最高点を得て、世界で最も安全性の高い車のひとつであることを証明している。

同車のパワーユニットは4気筒1.6リッターGTDI直噴ターボエンジン、T4。最高出力は132kW(180ps)、最大トルクは240Nm(24.5kgm)で、クラストップレベルの出力を発生する。トランスミッションは新たにスポーツモードが加わった6速デュアルクラッチトランスミッション「パワーシフト」が組み合わされた。

エンジンStart/Stop機能やブレーキエネルギー回生システム、高効率な速度感応式パワーステアリングなどを採用し、燃費は16.2km/リットル(JC08モード)と、従来型コンパクトモデルと比べて約40%も向上。CO2排出量も低減した。

新型「V40」は19日より販売開始。エントリーモデル「V40 T4」と上級モデル「V40 T4 SE」のラインナップで、「V40 T4」が269万円、「V40 T4 SE」が309万円と戦略的な価格を実現した。メーカーオプションは、「歩行者エアバッグ」が6万円、「V40 T4 SE」に設定される「パノラマ・ガラスルーフ」が18万円など。