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ヘソにゴマがたまっていませんか? |
子どものころ、「へそのゴマをとってはいけない」と言われたことがある人も多いはず。けれども、へそのゴマはあかではないの? おなかを出したとき、へそにゴマがあったらかっこ悪いですし、ニオイも気になります。へそのゴマを除去してはいけないのでしょうか。神宮前鍼療所の院長で、経絡治療学会の会長でもある岡田明三先生にうかがいました。
やはり、へそのゴマはあかだった!!
――「へそのゴマを除去してはいけない」と子どものころに聞いたことがあります。けれども、そのままだと汚いと思うのです。へそのゴマは除去してはいけないのですか?
「もちろん、除去したほうが"よい"に決まっています。へそのゴマはあかですから、そのままにしておくと不潔です」
――やはり、そうなんですね。けれども、子どものころにへそのゴマを触っていておなかが痛くなったことがあるのですが……。
「それは触り方が乱暴だったからだと思いますよ。デリケートな部分ですから、大切に扱わないと傷ついて痛くなることもありますし、雑菌が入って化膿(かのう)することだってあるのです」
ポイントは油で柔らかくすること
――では、どうやってへそのお手入れをすればよいのでしょうか?
「お風呂に入る前に、おへそに油を差すことです。オリーブ油などの食用油でもいいですし、ベビーオイルでもいいです。油を差せばおへそのあかが浮き出てくるので、掃除がしやすくなります」
――も、もしかして、耳の中も同じですか?
「はい、そのとおりです。最近は耳鼻科に耳の掃除に行っても、その場ですぐ耳あかを除去しないのですよ。油をわたされて、それを1週間くらい耳に差して、あかが柔らかくなってから除去します。おへそのゴマも同様に、耳の中もゴリゴリこするのはNGです」
――ということは、耳かきは使わないほうが良いということですか?
「はい、綿棒で優しくあかを除去するのが良いでしょうね。考えてもみてください。お化粧はどうやって落としますか? 油で落としますよね。それと同じです。油には汚れを浮き上がらせる効果があるのです」
――へそや耳に差した油をきちんと落とさないと、逆に化膿したりしないのですか? また、なんとなくニオイも気になります……。
「いいえ。よほど極端なことをしない限り、油は自然と排出されていきますよ。ちなみに、子どもはあかの排出量も多いのですが、油分も多いので自然とあかは排出されます。
一方、年をとってくると体が乾燥してきますので、おへそのゴマ、耳あかともに固まりやすくなります。お年寄りほど、入浴前に油を差すのがおすすめ。固まったあかも油を差していると、だんだんと柔らかくなってくると思いますよ」
油は万能な「あか落とし」
――セルフケアではなく、専門家にあか除去をお願いしたほうが無難なレベルがあったら教えてください。
「あかが固まりきってしまっているようなら、一度、相談していただければと思います。油を差して柔らかくするのならまだしも、力技で除去しようとするのは絶対にやめてください」
――へそに油を差すとはびっくりしたのですが、耳の中にせよ、お化粧にせよ、体はみな同じなのですね。シンプルですべて同じなので、とても納得できました。
「赤ちゃんのベビーオイルだって同じなんですよ。よく、入浴後の赤ちゃんにベビーオイルを塗るお母さんがいますが、あれは間違っています。ベビーオイルとは入浴前につけるもの。オイルを塗って体にあかが浮き上がった状態で入浴するのが正しいのです。そうすれば、赤ちゃんの肌に負担をかけることなく汚れを落とせます」
なるほど。確かにおっしゃるとおりですね。今日から、油であかとり名人を目指します。
岡田先生、どうもありがとうございました!
取材協力:岡田明三先生
明鍼会 会長、経絡治療学会 会長、神宮前鍼療所 院長
神宮前鍼療所
近著に『かんたんツボ押しメソッド 1日6分で体質は変わる!悩み劇的解消!」(共著。幻冬舎,2011年)がある。
(文・OFFICE-SANGA 臼村さおり)