ココア・ショウガを飲用後の手の甲表面温度の変化まとめ

「ココア」の機能性について研究を重ねている森永製菓は、冷え性を抑制する食品として代表的な「ショウガ」と「ココア」を比較し、「ココア」が「ショウガ」と同程度の冷え性抑制効果があることを解明した。

「ココア」は長くゆっくりと冷えを抑制

同社は2002年に、「ココアの冷え性改善効果」と言うタイトルで発表を行い、「コーヒー」や「緑茶」等の嗜好(しこう)飲料と比べ、「ココア」が最も体末梢(まっしょう)部(手足)の血流を改善し、冷え性を抑制する効果が高いことを解明。2012年には「ショウガ」と「ココア」を比較し、冷え性と判断された健常な女性を対象に、冷え性を抑制する効果を検証した。

手の甲の表面温度の変化の一例

まず、何もしない状態では体の末梢部温度が次第に下がる室温23~24℃において、約70℃・100mlの純ココア+牛乳、およびショウガ+牛乳を用意。健常な成人11名(冷え性と判断された人)を対象に試験飲料を摂取後、手の甲(こう)表面を5分間隔で、首表面、額表面、ほお表面、鼻表面の温度変化を10分間隔で、医療用サーモグラフィーで測定した。

その結果、飲用後の手の甲と鼻の表面温度について調べると、「ショウガ」の方が温度上昇の立ち上がりが速く、上昇程度が高かった。しかし、急速に温度低下も始まったという。

一方「ココア」は、温度の低下がおだやかで体温の持続性が高かった。「ココア」は「ショウガ」より約0.5度高い表面温度を維持することが確認できたという。これにより、「ココア」と「ショウガ」は冷え性抑制効果の表れ方に違いはあるものの、同じように冷え性を抑制する食品であることが判明した。

「ココア」がゆっくりと長く冷えを抑制する効果に対して、滋賀県立大学人間文化学部生活栄養学科の灘本知憲教授は、「副交感神経に作用するココアならではの効果。ココアに含まれるデオブロミンやポリフェノールは、血管拡張作用があり、特に手や足の先の血液循環を改善することで、長く冷えを抑制できると考えられる」とコメントしている。

同社のココアに関する機能性研究の結果については、情報サイト「Cacao Fun」で公開している。