俳優の長谷川博己が19日、東京・立川シネマシティにて映画『鈴木先生』の舞台あいさつを行った。
長谷川にとって立川は、幼少の頃から映画を見に来ていた思い出の地。シネマシティ以前の平屋の映画館だった頃から足しげく通っていたという長谷川は、「3歳で生まれて初めて映画を見たのもここだったんじゃないかと思います」と振り返ると、「中学受験に落ちまくっていた時に落ち込んで映画館に来て、『ダイハード』を見たのもここだったんです。それで"よし、明日から生きるぞ!"と」と思い出のエピソードを披露した。また、シネマシティのスタッフのアルバイトに応募し、採用されなかった過去に触れ、「そこに主演映画で凱旋できるなんて、何かの縁を感じます」と感慨深げだった。
観客から最もつらかったシーンについて聞かれた長谷川は、「先生と生徒の役なので、俳優として先輩と後輩という関係がそのまま先生と生徒という風につながってくるから、皆の手本になるように間違えるところなどを見せたくないと思っていました」と明かすと、「でも、ドラマ10話の"鈴木裁判"では、セリフを何度も何度もミスしてしまい、『先生がんばれ!』みたいな雰囲気になって生徒役の子供たちに慰められてしまって…」と苦笑。「生徒だけではなく先生も成長する、映画とドラマのテーマをそのまま表しているような気がします」としみじみと語った。
現在公開中の本作は、武富健治原作の同名コミックの映像化作品。2011年の4月にテレビ東京系列の連続ドラマとして放送され、その年のドラマの最低平均視聴率をマークしてしまったものの、第49回ギャラクシー賞優秀賞など多数の賞を受賞した。長谷川博己演じる鈴木先生が、どこにでも起こり得る問題について過剰に悩みつつ、独自の教育理論によって解決していく様を描いている。