三井物産は、「Paul Stuart」のブランド名で高級衣料雑貨小売業を運営する米国Paul Stuart社の全株式を取得することで創業家一族と合意し、昨年12月28日に全株式を取得したと発表した。

「ポール・スチュアート」のコート(左からメンズ、ウィメンズ)

Paul Stuart社は1938年、当時アメリカントラッドが主流だった米国市場に、初めてヨーロッパのファッションセンスを取り入れた洗練かつ先進的な紳士衣料品専門店として誕生。以来、世界のトップエグゼクティブやセレブリティに愛用され続け、米国有数の高級ブランドとしての揺るぎない地位を確立し、今年で75周年を迎える。

三井物産は1975年よりPaul Stuart社製品の輸入事業を開始、1991年には同ブランドの日本市場向け独占生産・販売権を取得するライセンス契約を締結。三陽商会を通じて、青山・銀座の直営路面店に加え、百貨店インショップ、アウトレット、Eコマースでの販売を行っており、日本での市場規模は小売売上高で約115億円に達する。

「Paul Stuart」ブランドは、欧米およびアジアの約30カ国において商標登録している。今回の買収を通じて、三井物産は「Paul Stuart」ブランドのグローバルな商標権を確保し、ブランドの伝統を引き継ぎ、さらなるブランド価値の向上を目指すとともに、本格的なグローバルブランド事業に進出するとしている。