iFixitは11月30日から販売が開始されたAppleの新型iMacの分解調査を行い、修理可能スコアの評価を10点中3点とした。これは部品交換が不可能ではないが、非常に難易度が高いことを意味し、もしユーザー自らの手でメモリ等の交換を行う場合、ディスプレイ部の接着剤を熱で剥がし、分解を経てロジックボードを内部から取り出す必要があるという。
お馴染みのiFixitの分解レポートだが、今回分解対象となっているのは現時点の新型iMacで唯一入手可能な21.5型の2.7GHzモデル(iMac Intel 21.5" EMC 2544)だ。スペックは2.7GHzのクァッドコアCore i5プロセッサに8GBメモリ、1TB HDD、NVIDIA GeForce GT 640Mというシリーズ最廉価の構成だ。新型iMacの特徴は、ディスプレイのエッジ部が非常に薄くなっており、中央のスタンド部に近付くにつれて筐体が盛り上がっていく特徴的な形状にある。当然ながら内部のパーツ配置やディスプレイの組み立て方法も従来とは異なっており、フロントパネルを本体から引きはがすために、iFixitでは接着剤を融解するヒートガンを用いている。このヒートガンは新型iPod touchの分解レポートでも用いられており、接着剤による貼り合わせは薄型筐体実現やコスト削減のために最近のAppleでよく用いられる手法のようだ。
また分解の難易度を高くしているのは、前面のディスプレイパネルを外した後に、内部に固定されている各種パーツを順番に外してロジックボードを露出させる必要があるためだ。最終的にロジックボードを取り出してひっくり返した状態で、メモリ等の交換が可能になる。iFixitの評価によれば、依然としてDRAMやHDD交換が可能なものの、このように分解行程が多く、「まったく分解できない仕組みよりは安全だが……」という内容のようだ。なお、フロントのガラスと液晶パネルは完全に統合されており、以前のような磁石固定ではないという。そのため、今回のようにヒートガンが必須だという。Computerworldによれば、iMacの一世代前のモデルでのiFixitの分解スコアは7で、今回は特に難易度が上がっている。