MM総研は8日、2012年度上期の国内PC出荷状況の調査結果を発表した。国内PCの総出荷台数は前年同期比0.5%増の747.3万台、総出荷金額は同14.7%減の4,956億円となった。

出荷台数

店頭量販店やWeb直販などの個人向けPCの販売台数は、前年同期比5.7%減の365.7万台で、2007年度以来の前年割れとなった。法人直販および法人向け販売店などの法人向け販売台数は、前年同期比7.3%増の381.6万台となり、全体として出荷台数は拡大した。

出荷金額

出荷金額は、前年同期比14.7%減の4,956億円となった。この理由としてMM総研では、10,000~20,000円台の低価格製品や、携帯キャリア回線とのセット割引で実質0円となるタブレット型端末との競争が出荷価格の下落に影響したと分析している。

メーカー別シェア

2012年度上期の国内メーカー別出荷実績(747.3万台)は、NECレノボグループが200.8万台・シェア26.9%と首位を獲得。次に富士通が134万台で17.9%、次に東芝が92万台で12.3%となった。

2011年度上期と2012年度上期のメーカー別シェアの推移

第4位は日本ヒューレット・パッカードで、70.1万台で9.4%のシェア。続いてデルが63.3万台で8.5%、ソニーが49万台で6.6%、アップルが40.5万台で5.4%、エイサーが28万台で3.7%となった。なお、その他は69.6万台でシェアは9.3%。

2012年度上期の個人向け市場(365.7万台)におけるメーカー別シェアは、NECレノボグループが94.5万台となる25.8%で1位となった。続いて富士通が55万台となる15%、次いで東芝が53万台で14.5%のシェアを獲得した。第4位はソニーの42万台でシェア11.5%、第5位はアップルで34.5万台、9.4%だった。その他は86.7万台で23.7%。

2012年度上期の個人向け市場におけるメーカー別シェア

法人向け市場(381.6万台)では、NECレノボグループが106.3万台でシェア27.9%と、個人向けに続いて首位となった。続いて富士通が79万台で20.7%、日本ヒューレット・パッカードが57.1万台で15%、デルが51.1万台で13.4%、東芝が39万台で10.2%となっている。その他は49.1万台で12.9%。

2012年度上期の法人向け市場におけるメーカー別シェア

個人市場・法人市場ともに、前年と比べ順位に変動はない。個人向け市場では、NECレノボグループが1.8ポイントと特にシェアを拡大した。富士通は個人向け市場のシェアは下がったが、法人市場で2.8ポイントの成長となっている。アップルは、個人市場で構成比8%から9.4%へと着実にシェアを拡大している。

市場の展望

MM総研では、Windows 8登場の効果は2013年度以降になると予測し、コンバーチブル型やスレート型を含むWindowsPC市場全体の2012年度の見通しは、ほぼ前年度並みの1,532万台と予測。タブレット市場は10,000円~20,000円台となるエントリー価格の製品が増えたことで、PCを上回るペースで販売台数が増加する一方で、デバイスの垣根を超えた競争や進化が進むとしている。

MM総研によるパソコン市場中期予測