サイバーフロントは2日、都市開発鉄道シミュレーションゲーム『A列車で行こう9 Version2.0 プロフェッショナル』の製品概要を発表した。12月7日に発売する。『A列車で行こう』シリーズの最新作で、『A列車で行こう9』の追加キットとして販売する。鉄道施設のスケール縮小、臨時ダイヤ設定機能のほか、立体交差駅や三角建物など70種類以上の建物を追加した。開発はアートディンク。対応機種はWindows 7 / Vista / XP。遊ぶためには『A列車で行こう9』本体、『建物キット』『建物キット2nd』が必要となる。

『A列車で行こう9 Version2.0 プロフェッショナル』に追加された鉄橋で、かつての余部橋梁も再現できる

『A列車で行こう9』は2010年に発売され、街づくりゲームおよび鉄道ゲームとして人気となった。その後、街づくりファン向けに2本の建物キットが発売され、リアルな風景を楽しむためにNVIDIA 3D VISIONに対応する「3Dプログラム」も提供された。その一方で、鉄道ファンからはさらなる鉄道要素の充実を望む声が多かった。『A列車で行こう9 Version2.0 プロフェッショナル』は、その要望に応えた進化版となっている。

鉄道機能がパワーアップ

鉄道要素として最大の特徴は、「スケール1:1モード」と「架線柱」だ。「スケール1:1モード」は、鉄道施設を縮小して建物との比率を1:1とする機能で、このモード専用のマップが用意される。従来は遊びやすさと鉄道車両の見やすさを重視し、鉄道を大きくデフォルメしていた。「スケール1:1モード」の搭載により、よりリアルな風景が再現できるほか、同じ広さのマップでも相対的に鉄道路線を長くできるため、長距離列車を運行しやすくなる。

従来のディフォルメモード

スケール1:1モード

「架線柱」は線路に付随する施設で、電化区間の再現には欠かせない。従来は省略されていたが、架線柱を使うことで電車の走る風景に実感がプラスされ、電化区間と非電化区間の風景の違いも楽しめる。なお、架線自体は描画されず、架線柱の有無にかかわらず電車の運行は可能で、従来通り省略しても遊べる。こだわりの情景パーツといったところだ。

電化区間の再現に欠かせない架線柱

鉄道施設はほかに、2種類の「立体交差駅」や路面電車用の「電停」、さらに「車両倉庫」などが追加された。立体交差駅は都市の鉄道に欠かせないスタイルで、郊外の路線に見られる「1階 / 2階タイプ」と、秋葉原駅のような「2階 / 3階タイプ」が用意される。電停もユーザーの要望の高かったスタイルで、路面電車を活用した風景を再現できる。その他の駅として、短編成用の田舎駅や、バス向けの「標識1本の田舎バス停」も登場する。「車両倉庫」は飾りではなく駅の一種として機能し、実際に列車の乗り入れが可能。

立体交差駅は2種類。秋葉原駅のような景色も再現可能になった

列車運行を極めたい「ダイヤ派」にもうれしい機能が追加された。ポイントの時間指定が可能となり、ターミナル駅で同じ列車が入線するホームを時間帯によって変えたり、夜間のみ車庫へ振り向けるというダイヤ設定が可能になった。駅のダイヤ設定には、「臨時ダイヤ機能」を追加。同じ車両について平日と休日のダイヤを変えたり、季節によって運行時刻を変更したりできるようになった。

路面電車ファンには待望の「電停」が

「車両倉庫」とダイヤ設定の強化で列車の入れ替え運行が可能に

追加建物も豊富に、三角コーナーにも対応

街づくり重視のプレーヤーにも朗報だ。従来は「マップ・コンストラクション」しか使えなかった「地形編集」が、ゲームモードでも使用可能に。山を切り崩して住宅地を造成し、海を埋め立てて工場や港湾の整備もできる。「市街化調整区域指定」機能によって過剰な都市発展も防げる。「田舎の風景に勝手にビルが立ってしまう」という悩みも解消される。

建物をびっしり建てられる

ゲームの画面で「工場萌え」も!?

マップはあらたに12種類を追加。建物も過去に販売された「建物キット」と同等の数を追加した。今回は鋭角に交差する道路に対応する「三角形の建物」が登場。また「郵便ポスト」「電柱」「ベンチ」「自動販売機」など1m四方の細かなパーツが多く、街の隙間を埋められる。夜景を演出する「ライトアップ建物」や、展望タワービル、神社(山タイプ、海タイプ)などの日本の新旧の建物も追加されている。その他、建物を選択した際に、その建物が中央になるようにカメラを移動したり、画面上の列車をクリックして車窓モードに切り替えたりできるなど、インターフェースが改良されている。

パッケージは夜景をアピール

価格は、『A列車で行こう9 Version2.0 プロフェッショナル』が7,140円。既発売の建物キット2本を追加した『A列車で行こう9 Version2.0 プロフェッショナル アディショナルパック』が1万1,340円。これに『A列車で行こう9』本体も追加した『A列車で行こう9 Version2.0 プロフェッショナル 完全版』が1万8,690円。さらにガイドブック第3弾を追加した『A列車で行こう9 Version2.0 プロフェッショナル 完全版 with プロフェッショナル公式ガイド』が1万9,950円。

ガイドブック『A列車で行こう9 Version2.0 プロフェッショナル公式ガイドブック』については、単体でもエンターブレインから発売(1,890円)される予定だ。