近藤科学は、同社の従来から展開しているホビーロボットをメインターゲットとしたサーボモータ「KRS」シリーズに加えて、新シリーズ「B3M」を展開していくとし、第1弾「B3M-SB-1040-A」の出荷を2012年秋を予定していることを発表した。

B3Mシリーズは、ホビーロボットだけでなく、さまざまな製品に組み込んでも耐えうる高性能と高品質を目指して開発されているサーボモータ。第1弾のB3M-SB-1040-Aは、耐久性の高いブラシレスモータを使用し、磨耗のない非接触型の12bit磁気式エンコーダー(12bitの解像度で最小分解能は0.088°)を搭載していることなどが特徴だ。

また、通信にはRS-485規格を採用し、より信頼性のあるサーボに仕上げられている。差動信号のためノイズに強く、3Mbpsの通信を行える上、デイジーチェーン接続で最大255個の接続が可能だ(理論値)だ。6種類のコマンドのみでサーボの制御が可能な仕様で、メモリマップドIOを採用しているので、メモリのデータを読み書きするだけで実際にサーボモータが動作する仕組みをなっている。

さらに、マルチキャストコマンドを採用しており、サーボごとにID番号を設定できる。ID=255はブロードキャストIDとして使用され、デイジーチェーン接続されたすべてのサーボモータを同時にコマンド実行させることが可能。位置制御・速度制御時はPID制御パラメータを調整を行えるほか、ゲインプリセット機能を使えば3種類のゲインをあらかじめ登録しておくことができるので、プリセット番号ですばやくゲインを変更することが可能だ。

そのほか、入力電圧やMCU温度、モータ温度、モータロックなど各種システムエラーをメモリ上に保存する設計を採用しているほか、安全のためのリミット機能を搭載。モータやMCUの温度に対して制限をかけることで、故障の原因を減らすことが可能となっている。

価格はオープンだが、参考価格は2万8350円で5個セットは13万3875円。なお、B3M-SB-1040-Aのスペックは以下の通り。

スペック

  • 公称電圧:12V
  • 最大トルク:4.1[Nm](42[kgf・cm])
  • 最大連続トルク:2.5[Nm]
  • 無負荷回転数:45[rpm](0.22[s/60°])
  • 減速比:362.88:1
  • 動作電圧:安定した電源で6V~12V
  • 待機電流:80[mA]
  • 動作環境温度:0~40[℃]
  • 重量:88[g]
  • 寸法:32mm×32mm×51mm
  • 最大動作角度:±320[degree](±32.767[degree])位置制御モード時
  • 制御分解能:12bit/1round(0~4095)
  • 動作方式:位置制御、速度制御
  • 通信形式:RS-485
  • 通信プロトコル:半二重非同期通信 データ長8bit/スタート1bit/ストップ1bit/パリティ無し
  • 主なパラメータ:ID番号、各種制限項目、PID制御各種ゲインなど約60種類
  • 固有ID数:0~254(255はブロードキャストIDとして予約)
  • 通信速度:最大3Mbps、標準1.5Mbps(ガードタイム200us程度)
  • 価格:1個2万8350円/5個セット13万3875円(参考価格)

B3M-SB-1040-Aの試作品の外観。実際の製品は外観が変わる可能性もある