Maxim Integrated Productsは、スマートグリッドインフラ向けセキュリティマネージャ「MAX36025」を発表した。

より効果的なエネルギー使用を管理するため、全世界の電力会社がスマートグリッドの導入を進めている。スマートグリッドでは、グリッド内の複数のポイントで通信することにより、瞬間的な消費電力の測定、障害の迅速な分離、需要の制御、顧客に対する料金と消費量の通知などを行う。しかし、常に双方向の通信が行うことで、サイバー攻撃にさらされる恐れがある。これに対し、「MAX36025」をスマートグリッドネットワーク内のアクセスポイント/データコンセントレータに配置すると、これらの重要なデータ集約ポイントにセキュリティを追加することができる。

「MAX36025」は、2つのハードウェアAESエンジンを備え、暗号化をハードウェアによって行うため、設計時間が大幅に短縮しながら、セキュリティレベルを向上させることができる。また、作成やデバッグ、実装に長時間かかる暗号化コードの開発作業が省略できる。

暗号化ソフトウェアには、未検出のバグという形のセキュリティ脆弱性があり、ウィルスによる攻撃を受ける可能性がある。2つのAESエンジンは、個別のチャネルで使用してそれぞれ異なるネットワークを保護したり、同一のチャネルで同時に使用して暗号化を二重にすることができる。

また、高速タンパー反応型消去を備えた非インプリンティングメモリを内蔵し、メモリ内にはセキュアキーストレージがある。この他、物理的攻撃を示す大幅な温度変化を検知する独自の変化率検出器による温度センサも備える。動作温度範囲は-55~+95℃。パッケージはリードレス81ピンCSBGA。

スマートグリッドインフラ向けセキュリティマネージャ「MAX36025」