英会話教材を販売する会社だけあり、日常的に英語が飛び交うロゼッタストーン・ジャパンの社内。その中で、実は英会話を苦手としていたのが法人営業を担当する島津敦好さんだ。

ロゼッタストーン 島津敦好さん

「営業をやっているのに英語を話せないのが強いストレスだった」ということで、『Rosetta Stone TOTALe』(レベル1~5セット・オンラインサービス15カ月間付き)を自ら体験してみた。10カ月後、すべてのレッスンを終了したところでTOEICスコアは500点から750点にアップした。ユーザーの立場としても自社製品に触れてみた島津さんに、その特徴と魅力を聞いてみた。

高校卒業まで約3,000単語を学ぶ日本人が、なぜ英語を話せないのか?

「ある調査で、TOEIC800点以上の人の実に56%が英語を話せないし、聞き取れない、という結果がありました。これは、英単語のつづりと意味は頭に入っているが、音として身についていないということのあらわれです」

開口一番、日本の英語知識層の現状についてこう語る島津さんは、「ロゼッタストーンは『見る+聞く+話す』のコンビネーションを重視します。まず、英語を音として聞き分けられるようになることに目的をおき、正確な発音で話せるように訓練する教材ソフトです」と、その特徴を説明する。

結論からいうと、日本人の英語教育はそもそも高い水準にある。一般に高校卒業時点で2,000~3,000語程度、大学卒業だとその倍くらいの英単語が頭の中にセットされていると言われている。文法の知識も低くはない。これに対して、オバマ大統領が演説で用いる単語数は約1,500語。つまり、ネイティブからそうでない層まで聞き取りやすく、意味も明解に通るシンプルな英会話の好例が、オバマ大統領のイングリッシュだということだ。

アメリカのネイティブスピーカーが口語で使用する英単語数ですら10,000~15,000語といわれる中、日本人は大学卒業時点でその約3分の1を習得しているのだ。ただし、『つづりと意味』という知識としてしか身についていないので、実際の会話に役立たない。

「音として聞き取れない言葉は、知識としてあっても話すことができないものです。ロゼッタストーンは、まず聞き、そして話す、という音感に対する訓練を徹底的に繰り返すことで、すでに頭の中にある知識を実際の音にひも付けます。そして、瞬発力の高い英語脳を育てながら、眠っていた知識を現実の英会話の世界に、扉を開けてくれるソフトです」

そう、島津さんが自らの体験を通して力説するロゼッタストーンの機能を、具体的に見ていこう。

徹底した反復練習で英語の基礎体力をつくる筋トレマシン

『Rosetta Stone TOTALe』の教材としての魅力は、
(1)レベルに応じて5段階にステップアップできるカリキュラム体系
(2)1コマ5~20分と細分化された取り組みやすいレッスン形式
(3)パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットにも対応したデバイスの多様性
(4)ネイティブとの対面レッスン、各種サポートなどが15カ月間受けられるオンラインサービス
といったところがあげられる。

『Rosetta Stone TOTALe』の画面。法人では資生堂、野村証券、全日本空輸など国内450社で導入している

各レベルとも、レッスン画面は写真と関連づけながらリスニングとスピーキングを繰り返していくという仕組みになる。この、写真と組み合わせた学習法の狙いを、島津さんはこう説明する。

「これまでの学校教育だと、girlにはis、girlsにはareと、文法から教えます。しかし、ロゼッタストーンでは、これを写真の視認性で訴えながら、isとareの使い分けを瞬間的に身につけていくのがポイントです。われわれは、日本語を文法から教わったわけではありません。外国語の文法とは、母国語にトランスレーションするために学ぶ知識です。ロゼッタストーンでは、こうした文法を意識することなく、写真と言葉をひも付けながら聞く・話すを徹底的に繰り返します。そうして、脳にある知識を素早く音として認識し、言葉として発声できる能力を高めようとしているのです」

実際、女の子が飲み物を飲んでいる写真にあわせ、『A girl is drinking』と聞いて話さなければいけないシーンが、各レベルを通じて合計100回ぐらい出てくる。この繰り返しに、うんざりする感もあるのは確かだが、何度も見て聞いて話して、最終的には条件反射で言葉がパッと出てくるのがロゼッタストーンの構造であり、学ぶ成果の特徴となっている。 「目の前の現象に対する言葉が、パッと出てくるように反復を繰り返します。100回腹筋をするとおなかの筋肉が割れるといいますよね。それと同じで、ロゼッタストーンとは筋トレのツール。単純な学習教材ではなく、英語脳を鍛えるためのツールです」と、島津さんは力説する。

一方、単純な反復ばかりかというと、凝った仕掛けも目を引く。その一つが、音声波形を解析して示してくれる「スピーチ解析」機能だ。これは、自分の発音した波形とネイティブの波形を比較して確認でき、音声のスピード調整も可能なのでより細かな部分の発音がチェックできるのが特徴だ。これについても、島津さんは自身の体験をこう語る。 「You are welcome. という発音が何度やっても通じなかったので、波形を確認しながらアクセントを確かめました。音の構造を目で見ながら聞いてみると、You are welcome。 は『ヨゥーウェカン』に近い発音だったと気づきます。でも、ウは小さなゥなんだな、などと手元のメモに書き取りながら繰り返し発音していく。ネイティブの発する音を最初から正確に聞き取ることは不可能ですから、この機能は大変役にたちました」

このように、話した瞬間に通じる・通じないがフィードバックされるのもロゼッタストーンが会話力の形成に強い理由だ。カタカナ英語のガールはgirlではない、という当たり前のことが肌感覚で認識でき、ネイティブの発音に実践的に取り組むことができる。

スマホ等の利用で、すき間を埋める学習法がおすすめ

ロゼッタストーンを効果的に続け、英語スキルをアップさせるにはどう使えばよいかを、ユーザー感覚から島津さんに語ってもらった。

「ロンブ・カトーという、16カ国語を操るハンガリーの翻訳家・通訳者が、自身の体験から独自に編み出した統計によると、どんな外国語でも聞いて理解し、パッと言葉が出てくるためには、1週間のうち10~12時間をその学習に当てなければならないと言っています。自律的に取り組めば、いつでもどこでも勉強できるロゼッタストーンといえども、現代の忙しい人に毎日1時間以上パソコンに向かうのは大変です」 そこで島津さんがすすめるのが、スマートフォンやタブレット端末を使ったすき間時間での学習だ。 「ロゼッタストーンは聞いて学習するパートと、話すパートが分かれています。そこで、電車での移動時間などに聞くパートを進めておく。レッスンのコマも長いもので20分、短いものは5分です。私の通勤時間は約40分でしたから、この間に聞く方のパートを2~3コマ終わらせられるわけです。そして、夜や早朝の時間に自宅で思う存分話す」

パートの上手なスキップの活用と移動中でも学習できるモバイル端末の利用をすすめる島津さんだが、ネイティブコーチとの対面レッスンのやりかたにも効果的な方法があるとアドバイスしてくれた。

「水曜の21時とか木曜の20時とか、毎週決まった日時にレッスンの予約を入れてしまうんです。ロゼッタストーンの対面レッスンの目的は、ただネイティブと話してみようというわけでなく、学んだレベルに応じたロールプレーイングをコーチとの間で確かめようというスタンスです。ですから、このレベルの会話を実地で行うためには、ちゃんとトレーニングして、ここまで腹筋を割っておいてくださいという考え方なのがほかの教材との違いでもあります。レッスン予約を入れておけば、そのレベルまでカリキュラムを終わらせておかなければいけないので、主体的に続けられるのではないでしょうか」

また、「3カ月後に海外出張するが、どのレベルまで終わらせればいいか?」などといった相談に、一緒にゴールセッティングなどをしてくれるカスタマー・サクセス・エージェントというサービスがある。そのオンラインサービスの利用が15カ月間付くから、学習が停滞したときなどさまざまに利用してみるといい。

知識を音に変え瞬発力のある英語脳を育てる教材

島津さんの体験を聞いていくと、ロゼッタストーンは「聞くのが苦手」「話すが苦手」という英語アレルギーの人にこそ実践してもらいたいプログラムだということが分かる。徹底的に見て聞いて話すことで、これまでの知識を母国語に置き換えるタイムラグを埋め、理解・把握し、そしてスピーチする。島津さんが力説する、基礎語学力を鍛えていくための「筋トレツール」というのが、実に説得力ある言葉だった。

島津さん自身もロゼッタストーンをレベル1から5まで終了したことで、前述のTOEICのスコアアップのみならず、英語での電話やアメリカ本社とのテレビ会議にも対応できるほど会話力に自信が付いたという。さらには、今年の2月に行われたアメリカ本社でのプレゼンテーションでは日本法人を代表して出席。世界中から集まった法人事業部の担当者を前にして堂々のプレゼンテーションを演じ、約150人の参加者の中で見事、優勝に輝くという成果を上げた。これは、語学力への評価ではなくプレゼンテーション内容での結果だが、それを支えた語学力のアップと自信というものは、自社教材を履修する前後とは大きな違いだと島津さんも実感している。

「TOEIC600点でリスニングとリーディングはなんとかできるが、話すスキルが足りない、というのが多くのビジネスパーソンの英語に対する悩みだと思います。英語に対する意識がある程度ある方は、前述の通り、つづりと意味という知識は備わっています。後は、そこに音を足すだけ。もっている知識を音に切り替えるだけで、英語はより実践的になり、思いを素早く言葉に切り替えられるようになります」と、ロゼッタストーンの魅力と価値を島津さんは語ってくれた。

実践的な英語脳に向けた、基礎体力づくり。その目的に、もっとも近づくのがロゼッタストーンの活用だ。

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