第9回『このミステリーがすごい!』で大賞を受賞した小説『完全なる首長竜の日』が、佐藤健&綾瀬はるか主演で映画化されることが明らかになった。
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佐藤が演じる浩市と綾瀬が演じる淳美は恋人同士。1年前に淳美が自ら命を絶とうとしてこん睡状態に陥った淳美の自殺未遂の理由を探り、目覚めさせるために浩市は、患者と意思疎通のできる脳神経外科医療の一種"センシング"によって恋人の潜在意識に潜入する。淳美の潜在意識に潜入した浩市は、淳美から「昔、私が描いた首長(くびなが)竜(りゅう)の絵を探してほしい」と頼まれる。淳美の意識下に入っていくうちに、浩市は奇妙な光景を度々目にするようになり、混乱する。現実と仮想の境界が崩れていく中で、浩市は15年前に2人が過ごした飛古根島に向かう。共演は、中谷美紀(精神科医)、オダギリジョー(淳美の担当編集者)、染谷将太(淳美のアシスタント)、堀部圭亮(脳神経外科医)、松重豊(淳美の父)、小泉今日子(浩市の母)ほか。
壮大なラブストーリーに綾瀬は「ワクワクして、ヒャーッ! となりました。意識下の世界は、現実離れした不思議な世界なので、『どういう感じになるんだろう』と思って読んでいました」、佐藤は「面白すぎて震えました。最初から引き込まれて、後半で驚きの展開があり、お話が終わる最後の最後まで目が離せなかったです」と魅せられている様子。すでに撮影は始まっており、佐藤は「『こういうところもあるんだ、こういう顔もするんだ』って、毎日新しい発見があって驚かされています」、綾瀬は「すごくしっかりされていて、私の方が年上なんですけど『先輩!』って感じです」とお互いの印象を語り、映画初共演ながらも息もぴったりだ。
監督は『アカルイミライ』(2003年)、『トウキョウソナタ』(2008年)などを手掛け国際的にも注目を集めている黒沢清。人間の潜在意識下を描くという新境地を開くことになるが、「不思議な原作に出合ったことと、映画で人の心の中を撮影することはできないという原則に挑戦してみたかったからである」と本作に挑む動機について語っている。
映画『リアル~完全なる首長竜の日~』は、2013年初夏に全国公開予定。