あなたのやめられないものはなんですか? ゲーム、お酒、タバコ、お菓子など、誰にでもきっと一つはあるはず。今回は心理学者の内藤誼人先生に、なかなかやめられないときの対処法についてアドバイスをいただきました!

やめたいときに効く、心理学的テクニック!

 「オーストラリアにあるエディス・コーワン大学のデビット・ライダーは、人間が行動を変えるための方法を研究した過去の論文を集め、これまでどんな研究が行われているか調査しました。その結果、四つの有効な方法があることが分かりました。一つ目は、『信念の変革』です。『自分はどうせやめられない』と挑戦する前から諦めてしまう人が多いと思いますが、それではまずやめられません。『自分は変われる!』と考え方を変えることが大切だということが分かりました」(内藤先生)

 ふむふむ。強い信念を持つことが、何かを断つための第一歩のようですね。次に先生が紹介してくれたのは、やめたいものをガマンできたら自分にごほうびを与える作戦! これは心理学では『強化』と呼ぶそうです。例えば、ダイエット中なら1週間甘いものをガマンできたら、洋服を買うといった具合です。自分は物につられるタイプと自覚している人には、オススメの方法かもしれませんね。でも、ごほうびに慣れてしまうと、また元に戻ってしまいそうです……。

 「そんな方にオススメしたいのは、『反条件付け』という方法です。ゲームばかりしてしまう人は、ゲームに時間を割かないように、全く違うことに取り組むのです。例えば、ゲームではなく資格の勉強をするといったように、やめられないものと相いれない行動をとるようにするのです。資格の勉強とゲームは同時進行できないですからね。一つの目標が決まれば、それに打ち込めるというタイプの人にはオススメです」(内藤先生)

刺激を取り除くのが一番!

 ここまで三つの方法を紹介してもらいましたが、最後に紹介してくれたのが内藤先生のオススメの方法でもある「刺激コントロール法」です。

 「ゲーム、お酒などにはまってしまうのは、これらが人間にとって刺激的なものだから。その刺激を自分の生活から取り除いてしまうというのが、『刺激コントロール法』です。例えば、ゲームをやめたいなら、家にゲームを置かないようにする。ゲーム友だちの家には行かない。ゲームセンター、インターネットカフェを通らずに家まで帰るようにするのです」(内藤先生)

 そこまで徹底すれば確かにやめられそうな気がします! でも、「今まで集めたゲームのコレクションを捨てるのは惜しい……」といった理由でなかなか徹底できなそうです。そんな意志の弱い人は、やっぱりやめられないのでしょうか……。

 「そんな人にはいい方法がありますよ! 完全に刺激を取り除くのが無理ならば、その行動を行うのが面倒くさくなるように、ひと手間かけると良いでしょう。例えば勉強をしたいのに、ついついマンガを読んでしまうという人は、勉強しているとき、マンガが見えないようにキャビネットにしまっておく。あるいは、段ボール箱に入れクローゼットの中に入れておくと良いでしょう。そうすると、マンガを読むのに手間がかかるので、そのうちに面倒になります。できるだけ面倒くさいところに置くようにしてみましょう。そのうちにマンガを読まなくなるはずですよ」(内藤先生)

 ひと手間かけるのがポイントなんですね。なかなかやめられないものがある方、ぜひお試しください!