ソニーとパナソニックは6月25日、次世代有機ELパネルおよびモジュールを共同で開発することで契約の合意に至ったことを発表した。
二社が締結したのは、テレビや大型のディスプレイ向けとして大きめのサイズの有機ELを共同開発することに関しての契約だ。有機ELは従来、コントラストや輝度などで液晶より優れている一方で、大型化は難しいと言われていた。だが、韓国のサムスン電子が55型のものを発表するなど、技術革新により課題も解決されつつある。
ソニーは、2007年に世界初となる11型の有機ELテレビを一般消費者向けに発売したが、価格面などの原因で市場が盛り上がらず、現在では業務用のみの展開となっている(2011年に25型の業務用有機ELディスプレイを発売)。
一方のパナソニックは、有機ELパネルの大型化・低コスト化に優位な印刷技術の中でも先端技術であるオール印刷方式により、大画面・高精細有機ELパネルの技術開発を行ってきた。また、同方式での生産を実現する設備や生産技術も保持している。
二社は、互いが持つ基本技術や印刷技術を持ち寄り、共同開発を行っていくという。2013年内の量産技術確立を目指すとともに、量産段階での協業の可能性についても今後検討していくことを発表している。