JR東日本は27日、東京駅丸の内駅舎の内部を報道公開した。創建時の装飾を再現した南側ドーム部のほか、東京ステーションギャラリーや東京ステーションホテルの客室などが公開された。

保存・復原工事が進む東京駅丸の内駅舎。外観はほぼ創建時の姿となった

東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事は2007年よりスタート。3階部分やドーム屋根が姿を現すなど、外観はほぼ創建当時の姿に復原された。グランドオープンは今年10月の予定で、ドーム部、ホテル、ギャラリーの内装工事なども佳境に入っているとのこと。

なお、現在は仮施設となっている丸の内北口が6月3日に、丸の内南口が6月17日に、丸の内中央口が7月1日に、それぞれ使用開始する予定となっている。

ドーム部の天井。創建当時の造形が蘇った

明るいイメージの内装で、鷲の彫刻や十二支にちなんだレリーフも配された

ドーム屋根の内部は改札口からも見上げられる予定で、3~4階と天井部分にて創建時の装飾を再現。今回公開されたのは南側ドーム部で、黄卵色を中心に明るい色彩でまとめられていた。

天井の部分には花飾りレリーフや、大きさ約2.4mという鷲の彫刻が。4階部分では十二支のうち子・卯・午・酉を除く8つの干支のレリーフがつくられ、各方角に設置された。南側ドーム部においては、創建当時に設置されたレリーフの中から保存状態の良いものも再使用しているという。

東京ステーションギャラリー。赤レンガが引き立つ空間に

入口部分にはむき出しの鉄骨が。社名が刻まれた鉄骨も存在する

壁面には炭化した木レンガも残る

東京ステーションギャラリーは10月オープン予定で、着工前の約1,000平方メートルから、約3,000平方メートルに拡張される。展示室では、建物も展示物のひとつとの考えから、赤レンガや鉄骨をむき出しにした露出仕上げに。東京大空襲で炭化した木レンガも、そのまま使用されている。

創建当時、丸の内駅舎に使用された鉄骨は半分以上が八幡製鉄所製だったが、それ以外にイギリスやアメリカで製造されたものも使用されたという。東京ステーションギャラリーでは、「FRODINGHAM IRON & STEEL CO.LTD ENGLAND」と刻まれた鉄骨も見られた。

工事が進む東京ステーションホテル「The Atrium」。自然光が降り注ぐ空間に。赤レンガも活用される

東京ステーションホテル客室(写真左がパレスサイド、右がドームサイド)

東京駅丸の内駅舎では、これまで使われていなかった中央屋根裏の空間も活用し、東京ステーションホテル(10月オープン予定)の宿泊者専用ラウンジ「The Atrium」に。ここでも創建当時の赤レンガが、インテリアとして生かされる。今回の報道公開では、東京ステーションホテルの「パレスサイド」(丸の内側)と「ドームサイド」(南側ドーム沿い)の客室も公開された。

東京ステーションホテルの詳細に関しては、本誌にて後日あらためてレポートする予定だ。