俳優の松重豊が29日、東京・青海の東京カルチャーカルチャーで行われたイベント『孤独のグルメ』実食&検定ナイトに出席した。

左から、木村綾子、久住昌之、松重豊 拡大画像を見る

『孤独のグルメ』は、1994~1996年にかけて雑誌『PANJA』(扶桑社刊)で連載された久住昌之原作のグルメ漫画で、主人公の中年男・井之頭五郎が、仕事の合間に立ち寄った大衆食堂で食事をする様を描く。今年の1月~3月には、松重主演のドキュメンタリードラマがテレビ東京系で放送され、放送分全12話のDVD-BOXが、5月16日から11,970円で発売予定だ(発売元:ポニーキャニオン)。イベントでは、作中で登場する料理を再現したものを実食したほか、漫画やドラマの中から問題を出題する『孤独のグルメ』検定が行われた。

アフレコも孤独だったという

原作者の久住昌之、作家の木村綾子とトークショーを行った松重は「原作のファンが多いので、俳優としてどう乗り越えようかと思いましたね。演技っていうより、食べることに集中しました」と振り返り、「演技で死んだフリはできるけど、食べるフリはできませんからね。芝居とは違う生の行為だから、近くで撮られるのは恥ずかしかった。育ちも分かるしね」と打ち明けた。「今は描いてると松重さんの声が聞こえてくる。かなり影響されてます」と告白した久住は、「40歳くらいのおじさんにウケてたんですが、最近は若い女性ファンも増えてきた。連載から17年も経ってドラマ化されてうれしい」と笑顔を見せた。

心理描写がほとんどの食事シーンに松重は「もくもくと食べてただけなんで、現場はシーンとしてた」と話し、「撮影が終ってからロケバスで孤独にアフレコしてました」とエピソードを披露。また、実際に営業している店舗での撮影ということで「お店が開く前の朝6時くらいからの撮影だった。朝から完全に胃腸を起こさないといけなくて」と明かし、「撮影で太った? ってよく聞かれたんですけど、痩せました……。午前中にバカみたいに食べるから、その後2日間くらい食べれなかったりして、整腸剤をずっと飲んでた」と苦労していた様子。回を重ねるごとに食べる量がエスカレートしていったそうで「さすがに親子丼と焼うどんの回は、炭水化物は重ねちゃダメだって文句を言いましたね」と話して笑いを誘っていた。