東京地区私立大学教職員組合連合はこのほど、「2011年度 私立大学新入生の家計負担調査」の結果を発表した。それによると、自宅外通学生への平均仕送り月額は9万1,300円で、調査開始以来、最低額を更新した。

同調査は1985年に開始し、今回で27回目。2011年度に首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木)の私立16大学、同2短大に入学した新入生の保護者を対象に行われた。調査期間は2011年5月~7月、有効回答数は5,496件。

「受験から入学までの費用」は、自宅外通学者が212万4,051円で前年度と比べて1万315円の減額、自宅通学者が151万8,451円で同3,115円減少した。

自宅外通学者の「入学の年にかかる費用」は298万3,351円で、前年度から9,415円減額。また、自宅外通学者世帯の「税込収入に占める『入学の年にかかる費用』」の割合は33.2%と、平均税込年収899万6,000円の3分の1を占め、家計に大きな負担がかかっていることが明らかになった。

入学後の出費が落ち着く6月以降の平均仕送り月額は9万1,300円で、前年度と比べて300円減少し、過去最低額を記録。これを過去最高だった1994年の12万4,900円と比較すると、ピーク時より3万3,600円も減額しており、16年間で4分の1の金額が減ったことになる。

「6月以降の仕送り額(月平均)」の推移(出典:東京地区私立大学教職員組合連合Webサイト)

毎月の家賃は平均6万1,000円で、前年度比100円減、平均仕送り月額における家賃の割合は66.8%となり、1986年度のデータ以来、過去最高を更新。平均仕送り月額から家賃を引いた生活費は3万3,000円で、1日あたりの生活費として算出すると1,010円となった。同連盟は、不足する生活費や学業の経費は、アルバイトなどの収入で補っていると推察している。

入学費用を「借入れ」した家庭は18.5%。「借入れあり」を住居別でみた場合、自宅外通学者は21.7%、自宅通学者は16.1%と、自宅外通学者の方が5.6%高い。借入額の全体平均は、前年度から6万3,000円増の164万2,000円。一方、自宅外通学者の平均借入額は189万6,000円で、自宅通学者と比べて51万8,000円多くなっている。

受験から入学までの費用の「負担感」については、91.4%の家庭が『重い』(「たいへん重い」42.6%と「重い」48.8%の合計)と回答。特に入学費用を「借入れ」した家庭では、99.1%が『重い』と感じていることが分かった。

また、日本学生支援機構(旧日本育英会)を含む奨学金を、「希望する」保護者、および希望者のうち「申請した」保護者は、全体平均でともに64.7%を記録。中でも希望者で奨学金を「申請した」保護者は、調査開始以来、過去最高となった。

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