JR東海は16日、初代「のぞみ」として活躍した300系車両の最終運転を行い、東京駅と新大阪駅で引退セレモニーを実施した。同日にはJR西日本も、100系と300系の最終運転を行っている。

引退記念の車体装飾が施された300系が東京駅に入線(JR東海提供)

300系は1992年、東海道新幹線「のぞみ」で営業運転を開始。翌年には山陽新幹線でも運転を開始し、約20年間にわたり活躍してきた。同車両の引退が発表された後、今年2月からJR東海所有の300系には引退記念のヘッドマークとサイドステッカーによる車体装飾も行われた。

東海道新幹線における300系の最終列車は、16日に運転された東京発新大阪行の臨時「のぞみ329号」(「ありがとう300系」のぞみ号)。10時47分の発車前には、引退セレモニーとして「ありがとう300系」出発式も行われた。引退する300系の姿を一目見ようと、東海道新幹線のホームには鉄道ファンをはじめ1,000人以上が集まったという。

「ありがとう300系」出発式では、乗務員への花束贈呈などが行われた(JR東海提供)

「のぞみ329号」発車前には、隣のホームまで人で埋まった(JR東海提供)

一方、山陽新幹線では300系による新大阪発博多行の臨時「のぞみ609号」、100系による岡山発博多行の臨時「ひかり445号」が運転され、これが両形式の最終列車となった。どちらもきっぷは2月16日に発売された後、わずか数分で完売となったという。岡山駅では、引退を迎える100系と300系が同一ホームに並ぶ光景も見られた。

100系と300系の引退により、17日以降、東海道新幹線を走行する車両は当分の間、N700系と700系のみに。山陽新幹線もN700系、700系、500系での運転となる。