NHK連続テレビ小説『カーネーション』のロケ収録が28日、岸和田市内の商店街で行われ、ヒロイン・小原糸子の晩年を演じる夏木マリが初の岸和田ロケに臨んだ。

『カーネーション』のヒロイン・糸子の晩年を演じる夏木マリ 拡大画像を見る

現在、糸子を演じている尾野真千子からバトンタッチを受ける夏木は3月3日放送分から登場。72歳から92歳で亡くなるまで、老いや病気と闘いながらも常に前を向き、次々と新しいことに挑戦し続ける糸子を演じる。

この日、ロケが行われたのは、糸子のモデルで日本のファッションデザイナーの草分け的存在である故・小篠綾子さんが生前よく歩いていたという路地。ドラマの時代背景は昭和60年へと移り、夏木は変わりゆく街の風景を糸子が万感の思いで眺めるシーンを熱演していた。

生前の綾子さんと親交があったという夏木は「綾子先生にはとてもかわいがっていただいたのでご縁を感じます。また昨年、岸和田だんじり祭りに初めて行くことができて、そんなときにヒロインのお話をいただいたので、赤い糸のようなものを感じています」と感慨深げにコメント。綾子さんとの思い出を「私のライブにもたくさん来てくださった。必ず若いボーイフレンドを連れて(笑)。いつも褒めてくださって、お会いするととても元気になる方でした」と明かし、「(糸子役は)天国から綾子先生に『久しぶりにマジメにやる仕事しぃや』と言われているような気がします(笑)」と綾子さんを懐かしんだ。

また、現・ヒロインの尾野については「尾野さんの糸子は完璧!強さや恋をして揺れる女の気持ちをとても素敵に演じられていると思います」と絶賛。尾野の好演が評判を呼び、『カーネーション』も高視聴率をマークしているだけにプレッシャーもあるという。「ダルビッシュのように『何の不安もない』と言いたいのですが…これまで評判がよかっただけに、そこに飛び込むのはアウェーな感じ(笑)」と夏木。「最後のシメとして評判を落とさないようにとか、責任は感じますね」と漏らしながらも、「見ていただいている方も元気になるような糸子を力強く演じたい。年を重ねるごとにもっとみんなを巻き込んでいく妖怪のような豪快さが出せれば、私としては任務を果たせるんではないかと思っています」と糸子の人生の集大成を演じる大役に意気込んでいた。