Googleが少なくとも今後3年はMozillaの後ろ盾となってFirefoxをサポートする。Mozillaが米国時間の12月20日に、Googleとの新たな提携契約で合意したことを発表した。契約内容は非公開となっているが、Mozilla CEOのGary Kovacs氏が従来の検索に関するGoogleとの関係が3年以上延長されることを明らかにしており、Mozillaが収入の大部分を失う最悪の事態は回避された模様だ。
GoogleはMozillaの最大の支援者である。MozillaはWebブラウザ「Firefox」のデフォルトの検索サービスプロバイダーをGoogleとし、Googleからロイヤルティ(使用料)を徴収する契約を交わしていた。Mozillaの財務報告書を見ると、この契約からの収入は2010年と2009年にそれぞれ、Mozillaのロイヤルティ収入全体の84%と86%を占めた。ちなみにMozillaの2010年の収入は1億2300万ドルで、そのうちロイヤルティ収入は1億2100万ドル。つまり、Googleとの契約からの収入がロイヤルティ収入に占める割合が、Mozillaの売上げ全体に占める割合とほぼ変わらない状態である。そのGoogleとの契約が延長合意に至らないまま2011年11月末の期限を迎えたため、Mozilla危機説がささやかれるようになった。
「複数年契約により、世界中の数百万のFirefoxユーザーにとって、Google検索が引き続きデフォルトの検索プロバイダーであり続ける」とKovacs氏。しかしながらMozillaの収入源がGoogleに集中していたのが今回の問題の要因であり、Googleとの再契約だけでは根本的な問題解決にはならない。3年の間にMozillaはGoogle依存から脱する必要がある。