ロサンゼルスのオークションハウス「Nate D. Sanders」は現地時間12日、1941年度の第14回アカデミー賞で9部門にノミネートされ、脚本賞に輝いた『市民ケーン』のオスカー像を出品した。
『市民ケーン』は監督、脚本、主演を務めたオーソン・ウェルズの処女作であり、また彼が唯一オスカーを獲った作品でもある。そしてオスカー像といえば映画のメモラビリアの中で最も価値の高い逸品の1つ。そんな希少性の極めて高いものがなぜ今競売にかけられたのだろうか。
Nate D. Sandersのスポークスマン、サム・ヘラーによると過去、オスカー像は60万ドルから100万ドル程度で取引されてきたという。2007年にSotheby's New Yorkにこのオスカー像が出品されたときは、100万ドル前後で落札されると見込まれていたが最低落札価格に届かず、買い手がつかなかった。
しかし、状況は変わってきている。最近ではマリリン・モンローが『七年目の浮気』で着用したことで知られるドレスが460万ドル、マイケル・ジャクソンが「スリラー」のミュージック・ビデオで来ていた赤と黒のレザージャケットが180万ドルでそれぞれ落札された例がある。この状況を見て、匿名希望の今回の出品者は今が売り時だと考えたという。またオークショニア側も、中国をはじめとした景気のよい新興国からの入札を見込んで今回の出品に踏み切った。
入札はウェブサイト上でのみ受け付けており、12月20日の17:00に締め切られる。一体いくらで落札されるのだろうか。結果はまたお伝えする。