米国時間の11月10日に、米Microsoftの直営小売店「Microsoft Store」のサンタクララ店(カリフォルニア州)がオープンした。場所は、シリコンバレーで最も大きなショッピングモールWestfield Valley Fairの中。目の前にはApple Storeのサンタクララ店がある。

Microsoftはこれまで、Apple Storeを避けることなく、むしろぶつけるようにMicrosoft Storeを展開してきた。目の前にオープンさせるのも今回が初めてではない。米国最大規模のショッピングモールMall of America(ミネソタ州)でも向かい同士だ。ただし、Appleが積極的に直営店を増やしているニューヨーク市、そしてAppleのホームタウンであるシリコンバレー-サンフランシスコ地域には進出していなかった。10日にオープンしたサンタクララ店はAppleの牙城に食い込む初の店舗になる。そのApple製品ユーザー率が高いシリコンバレーでも、あえてApple Storeの向かいを選択したことで同店のオープンが注目されていた。

左側がMicrosoft Store、右がApple Store

Microsoftはサンタクララ店オープン前日に徹夜組用のスペースを用意した。実際に毛布持参の行列ができ、オープニングイベントが始まる10日午前9時時点で約500人が開店を待っていた。AppleがiPadを発売した時に劣らない盛況ぶりだ。

オープン前日のモール閉店時から徹夜組が過ごせる場所を用意

オープン直前の長い行列

しかし先頭から最後まで行列を見ていくと、ほとんどが学生や若者である。この日Microsoftは最初の700人にThe Black KeysまたはJoe Jonasのコンサートのプレミアチケットを無料進呈するプロモーションを用意し、それを目的に集まったようだ。午前10時の開店から1時間強が経過してチケットの配布が終了すると行列は消滅し、一般の買い物客もすぐに入店できるようになった。

サンタクララ店は他の直営店と同様、壁に大型スクリーンが張り巡らされ、正面奥にソフトウエア/ハードウエア・インストールやメンテナンス・修理など各種サービスを受けられるサポートセクションが設けられている。店内には多数のノートPCやWindows Phone携帯が展示されており、それらに加えてXbox 360、Surfaceなどを体験できる。

Apple Storeのサンタクララ店は、年末の週末になると大変混雑する人気店だ。その向かいへの出店にふみ切ったということは、Microsoftは来店者数で勝負できる確信があるのだろう。実際、米国でも登場したWindows Phone 7.5搭載スマートフォンを体験したくてMicrosoft Storeを訪れる人は多く、Windows Phoneセクションは賑わっていた。こうした動きがWindows 8(開発コードネーム)搭載のタブレットやPCにも広がれば、向かい合うMicrosoft StoreとApple Storeを往復する買い物客が増えそうだ。次は製品発売でMicrosoft Storeの前に長い行列ができることを期待したい。

米AT&Tで発売開始になったWindows Phone 7.5搭載スマートフォン

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