浅田次郎の小説『蒼穹の昴』を原作とした日中共同制作ドラマが9月26日(日)よりNHK総合で放送される。31日、同局で発表会見が行われ、原作者の浅田ほか、田中裕子、周一囲、張博ら出演者と汪俊監督が出席した。

左から、張博、周一囲、田中裕子、浅田次郎、汪俊監督 拡大画像を見る

1996年に講談社より発刊された『蒼穹の昴』は、浅田自身がライフワークと称している清朝末期以降の中国を描いた歴史小説シリーズの第一作。19世紀末の清朝では、若くして帝位についた第11代皇帝・光緒帝(張)を立てる改革派と、政治の実権を握る西太后(田中)を中心とした守旧派の争いが展開。その渦中で兄弟の契りを交わした二人の若き役人・李春雲(余少群)と梁文秀(周)らを巻き込みながら、紫禁城を舞台に大きな人間ドラマが展開していく。ことし1月には字幕版で放送(NHK衛星ハイビジョン)されたが、9月からは日本語吹き替え版として放送される。

苦労は多かったというが「中国人スタッフ、キャストの優秀さに支えられて乗り切ることができました。わたしにとって宝物のような作品です」と田中

善人、悪人などさまざまな見解が持たれている歴史上の人物・西太后を演じた田中は、「この役を日本人が演じること自体、簡単なことではありません。言葉の壁もあり、初めて台本の読み合わせをした時には、相手のセリフがいつ終わったのか分からない……ということもあったほどです」と神妙な表情でコメント。演技上では"表現方法"の違いにも苦労したそうで、「西太后は怒髪天となって怒る場面がたびたびあるんです。仁王立ちして拳を握りしめ、相手を見下ろす感じで演じたんですけど、それは"武士的"らしいんですね。監督からは、『空を仰ぐように上を見て、両手を広げて怒る』という指導を受けました。そういう表現方法はわたしの中に無かったんですけど、思い切ってやってみたら意外と気持ちよかったです(笑)」と話した。

一方、原作の浅田も日中間の表現の違いに気付いたそうで、「色彩表現の豊かさに驚きました。日本の小説では、色よりも光と影を描くことが多いんです。昨今は家庭のテレビも大型化、高画質化していますから、この絢爛豪華なドラマを目の当たりにした人は、新しい映像作品を見ている感覚になるのでは」と分析した。

また、田中との共演について聞かれた周と張は、「ご一緒できたのは2シーンほどでしたが、撮影以外の場所で見かけた仕草がとてもかわいい方なんです。田中さんがあと数十歳若ければ、結婚したかったですね」(周)、「僕の両親が田中さんの大ファンなんですよ。ご一緒したシーンも多かったし、結婚する権利は僕のほうにあるんじゃないかな」(張)とベタぼめ。そんな二人のコメントに対し、はにかみながらマイクを手にした田中は「あと何十歳か若ければ……。でも、超うれしいです!」とご機嫌だった。

ドラマ『蒼穹の昴』は、9月26日(NHK総合 毎週日曜23:00~ 全25話)より放送スタート