ハードウェアビジネスを抱える企業の中で、米Appleの利益率が非常に高いことは知られているが、それを示す新しいデータが公開されている。ドイツ銀行(Deutsche Bank)のまとめたある調査報告によれば、AppleはPCメーカー全体に占める売上シェアでは低いものの、営業利益で比較したシェアではその5倍近い3割以上のシェアを有し、トップに躍り出るという。Business Insiderが報じている

Business InsiderのSilicon Alley Insiderがまとめたグラフは、2009年におけるトップPCベンダー各社の売上全体に対するシェアだ。青いグラフの棒で示されるデータを見ると、Hewlett-Packard(HP)とDellがトップ2で君臨し、それにLenovo、Apple、Acerが続く。Appleの売上におけるシェアは全体の約7%だ。ところが赤い棒の営業利益のシェアで比較すると、HPやDellは相変わらず高いシェアを持つものの、Appleが急伸して約35%の水準にまで達し、この2社を一気に抜き去る。HP、Dell、Appleを合わせて営業利益シェアだけで8割近くを占めることからわかるように、HPとDellも非常に優秀な利益率を持っているが、Appleはそれが際だって高い。

トップPCベンダー各社の売上全体に対するシェア(2009年)。Revenue Share(青/売上)、Operating Profit Share(赤/営業利益)Business InsiderのSilicon Alley Insiderより

以前も携帯電話分野で、AppleのiPhone事業の利益がNokiaのそれを上回ったことを紹介した。だが、ここでも売上ベースではNokia未満ながらも、利益でそれを上回るという現象が起こっている。