米Texas Instruments(TI)の日本法人である日本テキサス・インスツルメンツは10月22日、組み込みプロセッサとして、ARMコアである「Cortex-M3」を搭載したマイコン「Stellaris」29製品と、同「Cortex-A8」および「ARM9」を搭載したマイクロプロセッサ(MPU)「Sitara」2製品、合計31製品のARMプロセッサ搭載製品を発表、組み込みプロセッサ製品のポートフォリオの拡大を行った。

これは、TIが2009年5月に買収したLuminary Microによるもので、これによりTIはARMプロセッサ搭載製品のサプライやとして広範囲な製品ポートフォリオを有することとなる。

Stellarisプラットフォームは、従来138製品のマイコンが提供されていたが、今回の29製品の追加により、その数は167製品まで拡張されることとなる。これにより、動作周波数は20MHz~100MHz、フラッシュメモリ容量は8KB~256KBと幅広いオプションを、エネルギー、セキュリティ、コネクティビティなどの用途に向けて提供することが可能となった。

また、新たに追加された29製品には、Cortex-M3コアの開発に参加した主要なARMパートナ各社の設計により、モーション・コントロール用途のIPやインテリジェント・アナログ機能、コネクティビティのオプション(10/100 イーサネットMAC + PHY、USBホスト/デバイス、USB On-the-GO(OTG)のサポート、Bosch 2.0 A/B CANのサポート)が内蔵されている。

一方のSitaraは、TIが提供するOMAPの低消費電力プロセス技術を活用しており、動作周波数が375MHzから、将来的には1GHz以上までの組み込み用MPUを提供する計画の製品群。現在、Cortex-A8を採用した「AM3505」「AM3517」の2製品が提供されているが、今後数カ月以内に数品種のARM9ソリューションが提供される予定となっている。

Sitaraは、ペリフェラルの組み合せにより、システム・コストの低減、複数のコネクティビティ・オプション(CAN、USB 2.0、EMAC、汎用パラレルポート、SATA、およびプログラマブルのリアルタイム・ユニット)を実現でき、Linux、Windows Embedded CE、および複数のリアルタイム・オペレーティング・システム(RTOS)のサポートにより、設計者は、LinuxのコミュニティやTIの開発パートナー各社による包括的なエコシステムを活用することが可能だ。