米IntrinsityとSamsung Electronicsは、共同で45nm LP(Low Power)プロセス上で1GHz動作するARM Cortex-A8を発表した。コード名「Hummingbird」と呼ばれるこのコアは、32KBの命令/データキャッシュを持つほか、L2キャッシュのサイズはカスタマイズでき、またARM NEONテクノロジーも搭載する。現在Samsungはこのコアを利用したモバイル機器向けのSoCを開発中である。

45nmでもリーク電流の少ないLPプロセスを使って1GHzの動作周波数を達成するために、Hummingbirdはセミカスタムデザインフローを使うと共に、Intrinsityの拡張RTL FastCoreとFast14高速ドミノロジックを採用した。複数の電圧/動作周波数での動作に対応しているため、Hummingbirdは最低1.0Vのコア電圧で動作する。これとLPプロセスの採用により、Hummingbirdはモバイル機器に最適なプロセッサコアだとしている。

Hummingbirdのプロセッサコアは、ARMのCortex-A8 RTLと完全に同じである。ただしほとんどのCortex-A8コアはStatic logic cellとCompiled SRAMを使って回路合成しているのに対し、HummingbirdはFast14 NDL(1-of-n Domino Logic)をCortex-A8 RTLのクリティカルパスに使う事で、通常のStatic logic cellに比べて25~50%高速に動作している、とIntrinsityは主張している。HammingbirdはSamsungの45nm LPプロセスを使って製造される。