情報通信研究機構(以下、NICT)は、キューブ型3Dディスプレイ「gCubik」を用い、図鑑から絵を取り出して手元で立体的に観察できるシステム「gCubik+i(ジーキュービック・アイ)」を開発したことを発表した。

「gCubik」は、キューブ状のガラスケースの中に物を入れた立体映像を、裸眼であらゆる角度から見ることができる3Dディスプレイ。今回発表されたgCubik+iは、印刷やディスプレイ上の映像からgCubikに情報を取り出し、立体的に観察ができるというシステムだ。

画面にキューブを重ねると、生き物がキューブへ"移動"、手元で360度観察できる

開発例では「海の図鑑」をモチーフに、液晶ディスプレイに表示された生き物の画像にgCubikを重ねるとキューブの中に生き物が"移動"し、手元で立体映像として見ることができる様子が示されている。タッチパネルや加速度センサなどの入力情報が従来より自由に使えるようになり、gCubikを振って生き物を"追い出す"機能が搭載されている。また、液晶ディスプレイだけでなく、印刷物を用いて立体映像を取り出すことも可能だという。

NICTでは今後、ネットショッピングのカタログや、図鑑と組み合わせた教育分野などへのアプリケーション展開が期待できるとしている。このシステムは8月26日に東京・秋葉原で開催される「NICT超臨場感コミュニケーションシンポジウム」にて展示される。

「gCubik+i(ジーキュービック・アイ)」のシステム概念図