JTBグループの調査・研究機関であるJIC旅の販促研究所はこのほど、1964年~2006年に発表された旅行に関するキャッチコピー1,000本の中からアンケートで選ばれたBEST10を発表した。総合ベスト1位に輝いたのは「世界遺産の旧市街 そこは『魅惑の迷宮』」(阪神航空、2000年)。併せて、彩流社はアンケート結果をまとめた『キャッチコピーに見る「旅」』(税別1,900円)を発刊した。

今回の調査は、海外旅行が自由化された1964年から43年間で新聞に掲載された旅行に関する広告コピーを"旅に行きたくなる"という観点で年代順に選んだ1、000本を、さらに100本に絞った上で旅行者を対象にアンケートを実施した。そして総合ベスト10、「未婚OL」や「男性団塊世代」などクラスター別のベスト10を決定した。

総合ベスト1位に輝いた阪神航空のキャッチコピーは「旅の旅情を喚起するフレーズが入り、どの世代にも支持された」(同所)という。特に男性層の人気があったという2位の「でっかいどう、北海道 全日空さわやかキャンペーン」は名作コピーで、「40代以上では記憶に留めている人も多く、このコピーで北海道に行ったという人も」(同所)。ベスト10に入った最も古いものは、パン・アメリカン航空(1965年)の「今夜ハワイへ出発 今朝ハワイに到着」で、同所は「読めば旅に出たくなるコピーは時代を超えて人々を誘うパワーがある」とみている。

総合ベスト10

順位 キャッチコピー 社名
1位 世界遺産の旧市街 そこは「魅惑の迷宮」 2000年 阪神航空
2位 でっかいどう、北海道 全日空さわやかキャンペーン 1977年 全日空
3位 自分が見えなくなったら、世界を見に行きなさい。 1992年 近畿日本ツーリスト
4位 時計を脱いで、バリ島へ。 2005年 日本航空
5位 羊の数だけ感動があるニュージーランド 1996年 近畿日本ツーリスト
6位 旅は"心の貯金箱"です あなたを豊かにし、日本を再発見するために- 1974年 日本交通公社・日本通運
7位 自分に行き詰ったら、旅が最良の薬です。 2002年 ユーラシア旅行社
8位 空気のおかわり、もう一杯。カナディアン・ロッキー 1980年 アルバータ州政府観光局
9位 仕事を休んで、私に戻る。列車の旅。のんびり小町 2001年 東日本旅客鉄道
10位 鈴を鳴らして…オーロラウォッチング この冬、一生に、一度のオーロラ 1998年 近畿日本ツーリスト

20代~30代男性のベスト10の上位3位

順位 キャッチコピー 社名
1位 時計を脱いで、バリ島へ。 2005年 日本航空
2位 自分が見えなくなったら、世界を見に行きなさい。 1992年 近畿日本ツーリスト
3位 自分に行き詰ったら、旅が最良の薬です。 2002年 ユーラシア旅行社

60代シニア女性のベスト10の上位3位

順位 キャッチコピー 社名
1位 旅は"心の貯金箱"です あなたを豊かにし、日本を再発見するために- 1974年 日本交通公社・日本通運
2位 世界遺産の旧市街 そこは「魅惑の迷宮」 2000年 阪神航空
3位 羊の数だけ感動があるニュージーランド 1996年 近畿日本ツーリスト