JavaScriptベースのWebアプリケーションやWebサイトのデザイン調整に欠かせないツールがFirebugだ。Webブラウザ内で直接インスペクトやデバッグを実施するツールとしては実質的にデファクトスタンダードといっていい。どれも満足のいく機能ばかりだが、唯一不満な点をあげるとすればFirefoxエクステンションとして実装されているためほかのWebブラウザでは使えないというところだろう。IEが最大シェアを持っていることにかわりはなく、むしろ標準に準拠していないことが多いIEでこそ同様のツールが必要だ。

そこでKevin Yank氏がSitePointにアップしたドキュメントIn-browser Development Tools: Firebug Still Kingに注目したい。同氏は代表的なWebブラウザとそのデバッグ/インスペクトツールに言及し現状をまとめている。内容を簡単にかいつまむと次のとおり。

  • [IE6/7] - Internet Explorer Developer Toolbar (HTML/CSSインスペクタ) - 機能的だが扱いにくい
  • [IE6/7] - Visual Web Developer 2008 Express Edition (JavaScriptデバッガ) - 機能的で便利だがJavaScriptデバッガとしてのみ使おうとすると課題が残る
  • [IE8] (JavaScriptデバッガ) - Firebugと類似した機能が提供されるといわれているが今のところ確認できない

  • [Safari3.1] Web Inspector (HTML/CSSインスペクタ) - 便利。Firebugのようなモニタリングツールもある

  • [Safari3.0/3.1] Drosera (JavaScriptデバッガ) - 便利だがWeb Inspectorと統合した方がもっと便利ではないか
  • [Safari3.2] (JavaScriptデバッガ) - Firebugと類似した機能が提供されるとみられる。2008年9月での公開に期待

  • [Opera9.5]Dragonfly (HTML/CSSインスペクタ、JavaScriptデバッ) - Firebugとよく似た機能を提供しているうえにWebブラウザに依存しない。ただしまだ開発初期の段階にありオンザフライでの編集ができないほか動作が不安定

  • [Firefox] - Firebug & Web Developer (HTML/CSSインスペクタ、JavaScriptデバッ) - 現状でベストな組み合わせ

FirefoxにFirebugおよびWeb Developerの組み合わせがベストだと結論付けられているが、Safariがいい評価を得ているほかOpera Dragonflyも今後が期待できるようだ。一番登場が求められるIEだが、IE8で大きく改善される可能性が高い。

現状ではまだまだFirebugに一日の長があるようだが、ほかのWebブラウザでも状況は改善されており、今後のリリースでさらなる改善が期待できる状況にある。In-browser Development Tools: Firebug Still KingはWebデベロッパおよびWebデザイナの双方にとって有益なドキュメントだ。知らないツールの話があったのなら、一度同ドキュメントを読んでおくとよさそうだ。