スケジュール通りに進めば一ヶ月後にはFirefoxの最新版、Firefox 3がリリースされる。前評判は上々だ。パフォーマンスは向上するし便利な新機能も満載している。ベータやRCを使い始めているユーザも多いだろう。すでに多数のプレビュー記事が公開されているが、ここでは視点をずらして、Firefox 3で登場する目立たないが便利な機能を紹介しているKevin Yank氏のTwo Hidden Features New in Firefox 3を紹介したい。

同氏は同記事においてFirefox 3に登場する目立たない機能としてソフトハイフンとinline-blockを紹介している。ソフトハイフンは「­」で表現される改行してもいいポイントを指定するためのハイフンだ。通常は表示されないが、改行が必要になった場合にはハイフンが表示され、その部分で改行するようになる。Firefox 3が登場すると主要なブラウザすべてでソフトハイフンがサポートされることになるという。日本語にはあまり関係のない機能だが、これで細長のエリア内における単語のハミ出るレンダリングを回避できるようになる。

inline-blocksはCSSで「display: inline-block;」のように指定する。同指定ではフローティングとよくにているものの、ベースラインを指定したレンダリングが可能になる。フローティングではベースラインがないためサイズに応じて詰められてしまうが、inline-blockを使えば上や下にベースラインを指定して揃えた表示が可能になる。グリッド表示させる場合に便利に使える機能だ。こちらはIE7およびそれ以前のバージョンで動作問題があるが、Firefox 3がリリースされることでこちらもサポートする主要ブラウザの幅が広がることになる。

display: inline-blockを使うというのは、IEの現状のシェアから考えるとあまり現実的ではないように思えるが、同氏のドキュメントではIEで動作するように指定する方法も紹介されているため、display: inline-blockを使って整えるというようにベースとなるデザインは統一してしまうのも悪くない選択肢だ。Firefox 3の登場に合わせて検討対象に加えてみるといいだろう。