日本ヒューレット・パッカードは、北野天満宮所蔵の国宝「北野天神縁起絵巻 (承久本)」の高精細複製を制作、北野天満宮に奉納した。

今回の高精細複製は同社が、「現存の貴重な芸術文化財を保護すると同時に、より多くの人々の目に触れることで天神信仰をより理解する機会をもてるように」という主旨で北野天満宮に奉納を申し入れ実現したもの。

北野天神縁起絵巻の高精細複製。【巻五】雷神と化して清涼殿の時平を襲う

北野天神縁起絵巻の高精細複製。【巻六】火雷火気毒王清涼殿に災いする

「北野天神縁起絵巻(承久本)」は、全9巻から成る鎌倉時代前期を代表する絵巻物の傑作。大きさは縦52cm、各巻の長さは最短842cm、最長1211cm。総延長は100mにもなる。高精細複製においては、3,900万画素のハッセルブラッド社製H3Dデジタルカメラで撮影したデータを元に、原本に限りなく近い色調や明暗を再現するためのカラーマッチングやカラープロファイリングを繰り返し、グラフィクス向け大判プリンタ「HP Designjet Z3100」で和紙に出力された。

北野天満宮と日本ヒューレット・パッカードでは、今回制作した高精細複製を 「承久本を平成20年に持ちうる最高の技術を使って記録した本」と位置づけ、 「平成記録本」と命名している。