初音ミクで大ブレーク中の藤田咲さんが登場した初日、"神様"ことインテルの天野氏の発言に沸いた2日目と、大きな盛り上がりを見せた「Intel in Akiba 2007 Winter」だが、最終日となるクリスマスイブの24日も内容盛り沢山で、初日、2日目に負けず劣らずの大盛況となった。それでは、3日目の模様をダイジェストでお伝えしよう。

東京・秋葉原のCAFFE SOLARE リナックスカフェ秋葉原店で行われた「Intel in Akiba 2007 Winter」の第3日目のスケジュール

最初に登場したのが、インテルの梶原氏。「最新テクノロジーにふれるクリスマス、そして、更にその先へ」と題し、45nmプロセスルールを採用した開発コード名"Yorkfield"ことCore 2 Extreme QX9650を中心に、最新テクノロジの技術解説を行った。拡張されたCoreマイクロアーキテクチャの詳細や拡張命令"SSE4"のメリットなど、Core 2 Extreme QX9650のパフォーマンスの秘密をわかりやすく解説。「Canon Digital Photo Professional Ver3.2.0」によるRAW現像速度を実際にデュアルコアのCore 2 Duo E6700と比較することで、クアッドコアCPUの優位性を示した。

インテルのイベントではもはやおなじみの梶原氏

SSE4は動画エンコードで力を発揮する!

RAW現像ソフトを使って、クアッドコアCPUのメリットを解説。QX9650のシステムは、E6700の半分程度の時間で処理を完了した

次に登場したのがマイクロソフトの森氏。「Windows Vista 2007年3大ニュースと2008年に向けたメッセージ」というテーマで、デビューからおよそ1年が経つWindows Vistaの解説を行った。2007年の3大ニュースとして「Windows Vistaの魅力をなかなか伝えきれない事件」「いきなりSP1を待たれる」といった悩み(?)を挙げつつも、やはり最大のニュースは「Windows Vista 発売開始」だった。

こちらもおなじみのマイクロソフト・森氏。「プロセスとスレッド管理」「メモリ管理」「起動プロセス」の改善といったテクニカルな内容で、Windows Vistaのスゴさを解説。なお、SP1については、「基本的にこれまでの修正プログラムを固めたものなので、ちゃんとアップデートしていればほとんど変わりません」とのこと

パソコンでできることはまだまだあるので、やりたいことをドンドン追求していこう、というのが森氏の2008年に向けたメッセージ

その後は、NVIDIA、インテル、カノープス、日本Shuttleなどによるセッションが行われた。

NVIDIAの福田氏は、DirectX 10の魅力を語るとともに、最強のゲームプラットフォームとしてnForce 780i SLIを中心としたシステムを紹介。Core 2 Extreme QX9650のベストパートナーとしてのnForce 780i SLIをアピールした

『ロストプラネット エクストリームコンディション』を使って、3-way SLIを検証。通常は10fps程度のところが(画面左)、3-way SLIを有効にすると30fps近くのスコアをマークする(画面右)


インテルの土岐氏。インテルの省電力化への取り組みのほか、PenrynやNehalemといったこれからのテクノロジの解説、さらには同氏が普段勤務している筑波のラボの話といった、なかなか聞く機会のない珍しい話が語られた

インテルの小澤氏は、インテル純正マザーボードについて解説。製品のロードマップや最新マザー「DX38BT」、さらには期待の大きい"Skull Trail"などが紹介された


カノープスのセッションでは、同社の石倉氏が"Edius Neo"を使ったデモを行った。非常に重いAVCHDの処理なども、クアッドコアのCore 2 Extreme QX9650なら難なくクリアできることが示された。右下の写真はデュアルコア vs クアッドコアのテスト風景で、画面左のクアッドコアが圧倒的なスピードを見せつけた


日本Shuttleの伊藤氏は、同社のX38搭載製品を中心に「最新キューブ事情」を解説。今のキューブ型ベアボーンは電源容量や拡張性も文句なしの状況で、ハイエンドCPUやグラフィックスカードを組み合わせてもまったく問題ないことをアピールした。また、"指紋認証機能"については、セキュリティ面よりも実用性・利便性を重視して採用しているとのことだった

エムエスアイコンピュータージャパンのセッションに登場した石岡氏。"何か最新の情報を"というリクエストに対して、「X48 Diamondは、もともとX38 Diamondと同じ設計の予定だったが、さらに高いクロックでも安定動作ができるように設計変更することになった」と語り、実際には会場に展示されていたボードとはちがったものが登場することを予告。そのため、リリース時期については未定とのことだった。

1月発売予定の"P7N Diamond"などの最新製品は、"4相デュアルチャンネルPWM電源"や"POSCAP固体コンデンサ"の採用によって最大10%程度の電源変換効率化を実現しているとのこと。なお、石岡氏が手にしているのは、来場者へのプレゼント用の"USB2.0対応"クリスマスツリー

イベントの最後に気になる発言が……

そしてイベントの最後は、インテルの土岐氏、梶原氏、小澤氏によるフリーディスカッション。「Intel in Akiba 2007 Winter」の3日間を振り返って、「クリスマス開催ということで不安はあったが、アキバにクリスマスは関係ないだろう(笑)ということで決行しました。エンドユーザーさんに直接触れ合える貴重な機会なので、寒い中、たくさんの人に集まっていただき大変感謝しています」(梶原氏)、「今年は大阪と秋葉原の2回のイベントに参加させてもらいましたが、やはりエンドユーザーさんの話が聞けてよかった。今年はCore 2のおかげでインテルにとっては"よい年"だったが、来年もよさそうです(笑)」(土岐氏)といった感想が述べられた。その後、「昨年末から、Intel in Akibaだけでなく、VistaやFSB1333MHz版Core 2 Duoの深夜販売など、イベント盛り沢山の1年だった」という話が出た際、「次の深夜販売はいつ?」という話題になり、「1月の下のほうかな」という発言が飛び出した。何が深夜販売されるかについてはさすがに語られなかったが、今後、秋葉原のショップの動向などをチェックしておきたい。

ユーザーからの質問に答えるインテルの梶原氏、土岐氏、小澤氏(写真左から)。「会社にいるとわからないエンドユーザーさんの声を聞けるのがイベントのよいところ」(小澤氏)というのは、3者に共通した意見だった

セッション中に質問をしたユーザーにプレゼントされたCore 2 Extremeのプレートとレアアイテム"インテルの社員用カレンダー"

3人のフリーディスカッションの後は、来場者からの質問タイム。さらにインテルグッズが当たるじゃんけん大会などが行われ、3日間のイベントは最後まで盛り上がりの中、幕を閉じた。