OS Circularオープンラボは25日、PlayStation 3(PS3)向けのLinuxディストリビューション「HTTP-FUSE PS3-Linux」をリリースした。動作環境にはPS3本体のほか、IPアドレスを割り当てるためのDHCPサービスと、Open Platform for PLAYSTATION 3が配布するブートローダ「kboot」の最新版が必要。

HTTP-FUSE PS3-Linuxは、Ubuntu 7.04をベースに開発。kbootのプロンプトでカーネルとinitrd(起動用RAMディスク)のURLを指定することによりブートシーケンスを開始、サーバ上に置かれたディスクイメージを分割ダウンロードしつつ起動する機構により、PS3の内蔵HDDにパッケージをインストールすることなく利用できる特徴を持つ。ディスクイメージには、開発キットの「CELL SDK 2.1」が同梱されている。

既知の問題点としては、アップデート用デバイスマッパーに割り当てている64MBを使い切ると利用できなくなるほか、ネットワークドライバが不安定なことが挙げられている。

OS Circularは、不特定多数のPCでインストールなしに各種OSを起動することを目的にしたプロジェクト。OSのイメージはネットワーク仮想ディスク「HTTP-FUSE CLOOP」を通じて取得され、CD-ROMなどのインストール用メディアは使用しない。PS3以外にも、仮想マシン向けの「OS Circular on QEMU/KQEMU/KVM」などが開発されている。