学生や働く人々に広く門戸を広げる実践教育スクール「バンタンデザイン研究所」(以下、同校)。かつてはアパレルデザインにおける教育機関のイメージが強かったが、現在は時代のニーズと潮流に即したコースや講座もまた数多く開設している。今回レポートする「Webプロモーション&ライティング」コースも、そのひとつだ。ところでこの講座、カシオとのコラボレーションによる「産学協同授業」とのこと。その、一見不思議な取り合わせにも思える講座の内容を追跡、3回の連載企画でレポートしていく。
スマホをカメラに持ち替えて
「Webプロモーション&ライティングコースの狙いは、WebやSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を利用したプロモーション事例やブランディング手法を学び、セルフプロモーション、PRスキルを習得することです。」 そう語るのは、メイン講師を務める伊藤学先生。同校特有の少人数制講座で、生徒は大学生から社会人が対象。期間は10月末から3月まで。通学や通勤に支障が少ないよう毎週土曜に開講される。
先生によれば、講座でWebプロモーションで不可欠なSEO(サーチ・エンジン・オプティマイゼイション:検索エンジンへの対策技術)とライティング(執筆)のスキルも学ぶとのこと。ワークショップ的な実践授業を交えつつ、最終的には卒業制作として、生徒各自が学んだことを形にして発表することを目指すという。 では、本講座が一体どのような経緯で、カシオとの産学協同授業になったのだろうか。ちなみに産学協同授業とは、産業界と教育機関が協力し、授業を通じて学生の技術教育や企業の生産性の向上を図るもの。学校側はローコストで内容の濃い実践学習の場を提供できるとあって、最近の教育業界では一種の流行のようになっている。とはいえ、就職を視野に入れた学生としても、最先端の現場やマーケティングに触れる機会を得られるのは大きなメリットだ。企業にとっても社会貢献をしつつ、若者へのアプローチや才能発掘のチャンスとなり得る。やや生々しい話ではあるが、この記事も産学協同の成果のひとつといえなくもない。
同校も産学協同プロジェクトを積極的に取り組んでおり、今までにもパルコ、リーバイスなどファッション業界のみならず、ソニーやコロナ(ビール)とも、デザイン・映像製作においてコラボレーションの実績がある。
Webプロモーションをテーマとするにあたり、欠かせないのはビジュアルに対する考え方であり、主に写真である。近年の若者はスマートフォンで写真をとることが普通でカメラをあまり使用しない。個人的なSNSならまだしも、商品のプロモーションには魅力をより伝えられるデジタルカメラの必要性を伊藤先生は感じた。
そこで、以前から付き合いのあるカシオを思い出したそうだ。 若者にもっとカメラを使ってほしい、デジタルカメラのよさを認知してほしいというカシオの思いと授業とを結びつけ、そして生徒がプロモートする商品をEXILIMにできたらという伊藤先生の提案をカシオ側が快諾。生徒各自に「EX-ZR3000」を1台ずつ貸与することになった。彼らはこのZR3000を自由に5ヶ月間使用し、自身がカメラや写真について学ぶことを通じて、同世代の若者にZR3000の魅力をどう伝えるかを考えていく。
本講座の最終目標である「EX-ZR3000」のプロモーションサイトを完成させるためには、生徒自身がZR3000で毎日写真を撮る必要がある。カメラを通し感じた楽しさや感動を写真と共にひとつのミニブログサイトに交代で投稿していくそうだ。もちろんこれは授業の一環のため、好き勝手に投稿するのではなく、投稿内容や見せ方の企画を考える生徒同士の話し合いが必要になってくる。投稿という個人の見せ方のみでなく、全体として、どう運営していくのかということも学んでほしいと伊藤先生は語った。
ZR3000を触ってみての第一印象は?
ミニブログサイトは、SNS連携機能が充実した「Tumblr」(タンブラー)を利用して制作される。3月の講座修了時には、ZR3000の魅力や使い方の提案がぎっしり詰まったプロモーションサイトに仕上がる予定だ。
取材当日はまだ講座の第2回目。まずはカシオから貸与されたZR3000が1台づつ生徒に配られ、伊藤先生が操作方法を説明した。なお、この日出席した生徒は3名。全員がデジタルカメラは所持しておらず、写真はやはりスマートフォンで撮影しているとのこと。
撮影した写真をスマホに自動転送する機能「エクシリム オートトランスファー」を説明する伊藤先生。本講座でも大いに活躍しそうな機能だ |
カメラの手前で振った手の動きで自動撮影できて、セルフィーに便利な「モーションシャッター」を試す |
■ZR3000を触っての第一印象を伺ってみた。
会社でマーケティング部に所属する北本さんは、デジタルカメラは高校生の頃に持っていたが、最新型は機能がすごく増えており使いこなせるか不安。でも、そのぶんできることも多そうなので楽しみとのことだった。なお、北本さんは勤務先でWebプロモーションを担当しており、より深い知識や技術を身に付けたいと講座に申し込んだという。
勤務先でWebプロモーションに携わる北本さん |
大学一年生の佐藤さんは、興味と将来的な就職を考え受講を決めたそうだ。普段スマートフォンで撮っているものをデジタルカメラで撮ったらどう変わって写るのか興味があると、すでにPR目線が感じられた。
大学一年生の佐藤さん |
「つい夢中になっちゃいますね」と、人一倍熱心にカメラを触っていた土田さんは、広告代理店の営業職。顧客により価値ある提案を行えるようにと、積極的な姿勢で受講していた。普段はスマートフォンでイベント写真や料理を撮っては、インスタグラムにアップしているとのこと。ZR3000で撮りたい写真について、ちょうどご友人の結婚式があるとのことで、『いいね』をたくさん貰えるような写真を撮ってあげたいと、抱負を語ってくれた。
広告代理店に勤める土田さん |
なお、伊藤先生とカシオが生徒のプロモーションを総合的に審査し、特に優れたコンテンツの制作者には、貸与していたZR3000の返却義務が免除されるという嬉しいご褒美も用意されている。これもまた大きなモチベーションとなるだろう。
また、カシオ計算機QV戦略部の仁井田隆氏による"カシオ計算機という企業をより深く知って貰うためのオリエンテーション"も行われた。こう書くと、いかにも退屈なスピーチが行なわれたようにも聞こえるが、そこはマーケティングの第一線で活躍するアイディアマンの仁井田氏。「カシオ計算機の『カシオ』って何のこと?」「デジタルカメラっていつ頃からあるの?」などのクイズを出題。その答えを解説する中で、カシオの哲学や製品の特長をわかりやすく説明した。このオリエンで仁井田氏から"CASIO"への愛着とEXILIM誕生からこれまでずっと関わってきた熱い思いが伝わってきた。
ZR3000のカタログやWebサイトを見ると、製品ターゲットは若者であることや、撮った写真が自動的に手元のスマートフォンに送られる『エクシリム オートトランスファー』、セルフィー(自分撮り)に便利な180度可倒式モニターなどをカシオが強く売りにしていることがわかる。それらを汲み取り、自分の表現にどう落とし込んいくのかを頑張って考えてみてほしいと仁井田氏は生徒にエールを送った。
仁井田氏から大きなヒントを貰った生徒のみなさん。その瞳の輝きから察するに、すでにいくつかのアイディアが形になろうとしているようだ。なお、運営されるサイトのURLは「http://zr3000.tumblr.com/」。サイトのセットアップが完了次第、記事が投稿され始めるという。
交代とはいえ、およそ5ヶ月間、ひとつの製品についてWebプロモーションを続けることは、決して容易ではない。だからこそ、その経過と、結果に大いに期待したい。みなさんもぜひ上記サイトにアクセスして、ともにプロジェクトの成り行きを見守っていこうではないか。
(マイナビニュース広告企画 : 提供 カシオ計算機)
[PR]提供:カシオ計算機