8月7日、日本サムスンは3D V-NANDを採用した2.5インチSSD「Samsung SSD 850 PRO」および「Samsung SSD850 EVO」のラインナップに、新製品として容量2TBのモデルを追加した。市販されているHDDの容量が2TBに到達したのは2008年度末。7年の歳月を経て、ついにSSDもMBRの壁の前までたどり着いたというわけだ。このたびは、世界初(※)となるこの2台の2TB SSDをお借りすることができたので、ゲーマー視点での使い道を探ってみよう。
※ 2015年8月現在、Samsung電子調べ
SATA3.0の限界に迫る高性能はそのままに2TBへ大容量化
新たに追加された2TBモデルとはいえ、基本的な性能は2014年9月に発売されたSamsung SSD 850 PROシリーズ、2014年12月に発売されたSamsung SSD 850 EVOシリーズと変わらない。両モデルとも「3D V-NAND」を採用し、コントローラに「Samsung MHX」、キャッシュメモリにLPDDR3 2GBを搭載しており、大容量化したからといって本来の性能は損なわれていない。これまで培ってきた信頼性はそのままに2TBを利用できるようになったと考えて良いだろう。
Samsung SSD 850 PRO 2TB | Samsung SSD 850 EVO 2TB | |
シーケンシャルリード | 550MB/秒 | 540MB/秒 |
シーケンシャルライト | 520MB/秒 | 520MB/秒 |
4Kランダム(QD1)リード | 10,000IOPS | 10,000IOPS |
4Kランダム(QD1)ライト | 36,000IOPS | 40,000IOPS |
4Kランダム(QD32)リード | 100,000IOPS | 98,000IOPS |
4Kランダム(QD32)ライト | 90,000IOPS | 90,000IOPS |
TBW | 300TB | 150TB |
保証期間 | 10年 | 5年 |
店頭予想価格(税込) | 145,000円前後 | 113,000円前後 |
Samsung SSD 850 PROはMLCを採用しているため信頼性の高さは折り紙付き、10年という保証期間がそれを物語っている。かといってTLCを採用しているSamsung SSD 850 EVOが決して悪いわけではなく、他社のミドルレンジSSD同等にしっかり5年の保証期間がある。
2.5インチSSD、Samsung SSD 850 PRO 2TB(左)、Samsung SSD 850 EVO 2TB(右)の本体表面、裏面の様子。850 PROは角が面取りされており、高級感がある。 |
ライブラリ内の全ゲームを一台のSSDに詰め込もう!
ゲームをインストールするストレージをHDDからSSDへと変更することにより、ロード時間などが大幅に短縮し、体感速度が向上する事実は、すでに多くの方がご存じだろう。しかし、近年はゲームの大容量化が著しい。例えば、先日発売され、好評を博しているシリーズ最終作「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」では空き容量として約28GBが必須とされる。その他に有名タイトルを挙げると、「Battlefield Hardline」は約60GB、Assassin's Creed Unityは約50GB、「Dragon Age: Inquisition」は約26GBが必要だ。また「Grand Rheft Auto V」は本体だけでなんと約63GBもの容量が求められる。「The Elder Scriolls V:Skyrim」の場合は本体は約5.8GBだが、MODなどを導入するとさらに容量は増えていくことになる。
このような大作ゲームを多数所有している場合、256GBはおろか、512GBでも容量は瞬く間に枯渇してしまう。遊ぶ度インストールし直すにも、その容量ゆえに再インストール時間は膨大だ。しかし2TBもの容量があるSSDならば、Windowsをインストールしてもまだまだ余裕。容量を気にせずに、一つのドライブにゲームをインストールしていける。これはゲーマーにとって非常に大きなメリットになることだろう。
試しに筆者の持つSteamやOriginのゲームを容量の大きなものからインストールしていったが、120本ほどあるタイトルのうち7割以上をインストールした時点で、埋めることができた容量は1TBちょっと。時間的な問題から実際にすべてをインストールすることはできなかったが、ライブラリ内のゲームをすべてインストールできることは確実。積んでしまっているゲームもガンガン遊んでいけそうだ。