最先端の精神医療の現場にNUCを導入することを決意した醍醐病院の山崎氏。電子カルテといえばサーバーとクライアントを合わせたシステム単位での導入が主となるはずだが、あえてクライアントPCにユニットコム 法人営業部のNUC端末を選択したのはどういった経緯があったのだろうか。

メンテナンスを重視したPC選定

マイナビニュース:選定のきっかけについて教えてください

山崎氏:ユニットコム 法人営業部さんからの提案がきっかけですね。非常に面白い製品でしたので、実機を取り寄せていただいて一年ほど検証を行い、これは使えると思いまして導入を決めました。ディスプレイの流用も課題の一つでしたので、NUCはちょうど目的に適合したわけです。安い端末ではないのですが、キッティング等のサポート面で、ユニットコム 法人営業部さんにはかなり勉強してもらえましたね(笑)。

ディスプレイの裏側にVESAマウントアダプタを利用して取り付けられたNUC。既存のディスプレイに取り付けられることも課題の一つだったという

マイナビニュース:NUCを導入した最大の理由はなんでしょうか?

山崎氏:メンテナンスのしやすさと、省スペース性ですね。病院という建物はそれほどスペースに余裕があるわけではありません。PCが設置されるスペースはどうしても狭い空間、例えば足元などに置くことになるわけです。そして、地面に近い場所にデスクトップPCを設置することで発生してしまうのが、PC内部のほこりです。調子が悪くなるたびにブロワーをもってほこりを除去しに行くわけですが、作業時間や業務の中断時間、そしてブロワ―代もバカにならないわけですよ。だったら、液晶ディスプレイに取り付けることができ、大きなファンも存在しないNUCなら、このようなトラブル自体が起こりにくくなるだろうと。仮にトラブルが起こったとしても、このサイズなら交換も簡単ですから。

マイナビニュース:NUC導入前はどのようなPCを使われていましたか?

藤木氏:ごく普通のデスクトップPCですね。国産大手PCメーカーの製品で、6年前に導入しました。私が業務に携わった時点である程度刷新が進んでいたのですけれども、経年劣化に伴う動作の遅さが非常に辛いところでした。処理が遅れているのか、フリーズしているのかという判断も困難で、原因はソフトなのかハードなのか特定するのが難しい状況にありました。

山崎氏:デスクトップPC導入当初は予算がかなり厳しい状況で、スペックはIntelのCeleron 1.6GHzとメモリ512MBでした。それでも最初はそこそこ動いていたんです。しかしソフトが拡充されるにしたがって徐々に遅くなっていき、最終的にはかなりメモリの増設などを行いました。そういえば増設をお願いしたのはユニットコム 法人営業部さんでしたね。

NUC導入後のスタッフの反応は?

マイナビニュース:導入後の、スタッフの皆さんのNUCに対する反応はいかがですか?

藤木氏:SSDが導入されたことも大きな改善点だと思います。起動時のストレスも大きく減りました。以前のデスクトップPCは起動に大変時間がかかっていましたが、現在は一分もしないうちに使用可能となります。当院においてPCはあくまでサーバーのデータを利用するためのクライアントですから、もともと大容量は必要としておらず、今回導入したのも128GBのSSDを採用です。寿命的な観点はこれからの評価となりますが、5年、10年と言った連続稼働に耐えてくれることを期待しています。

山崎氏:小さすぎて、PCがあることに気付かない方も多いですね。デスクトップPCのイメージが強いので、「え、どれですか?」と聞かれることもありますね。ディスプレイの裏を指して「それ、そこにありますやん」というんですけれども(笑)。一つだけ問題点を上げるなら、液晶ディスプレイの裏側に設置しているため、電源ボタンを直接押しにくい、という点でしょうか。この点が改善されるともっと便利になると思います。

必要最低限のケーブルのみで稼働しているNUC。ディスプレイの裏側に設置されているため、電源ボタンを押しにくいことが唯一の難点だという

醍醐病院がNUCを導入した理由は、メンテナンス性と省スペース性にあるようだ。それでは、実際に使用している医療スタッフはどのように感じているのだろうか。ナースステーションでお話を伺ってみよう。