いよいよ、年賀状シーズンがやってきた。日頃からお世話になっている人や友達などに送る年賀状、気合いを入れて作りたいもの。とはいえ、干支をかたどったデザインにするのか、写真をあしらうのかなど、毎年のように悩んでいる人も多いのではないだろうか。

年賀状作りといえば、かつては「プリントゴッコ」なども流行したが、今はパソコンを使ってデザインから印刷までこなす人が多い。書店やパソコンショップなどでも、パソコンでの利用を想定した2015年用のデザインテンプレート集などが販売されている。写真のコラージュやメッセージの書体選び、レイアウトなども含めると、デザインの方向性は無限大だ。ただし、専用ソフトで年賀状を作るとしても、パソコンでの年賀状作成にはある程度のスキルが必要になる。

そんな中、ブラザーが同社のインクジェット複合機「PRIVIOシリーズ」で新たに提案しているのが、「パソコンレスの年賀状デザイン機能」だ。新PRIVIOシリーズなら、「オリジナルの年賀状を作ってみたいけれど、パソコンはあまり使えない」という人でも、本体の画面をタッチするだけで手軽に年賀状を作成できる。また、180種類以上のテンプレートが用意されており、好きなデザインを選べるようになっている。

PRIVIOシリーズの最新モデルでは、新たにスマートフォン向けアプリ「Brother 年賀状プリント」(Android/iOS対応)が用意され、スマートフォンからも年賀状を作成できるようになった。では、その使い勝手はどうなのか? どのようなデザインが選べるのか? これらを実際に見ていくことにしよう。

スマホで手軽にオリジナル年賀状を作ろう!

スマートフォンで年賀状を作成するには、スマートフォン向けアプリ「Brother 年賀状プリント」(無料)をダウンロードしてインストールする必要がある。プリンターを無線LAN接続する設定が必要なものの、プリンター本体とスマートフォンだけで年賀状を作成できるので、かなり便利だ。年賀状のデザイン作成ができるだけでなく、宛名面もスマートフォンだけで作れるのが大きな魅力となっている。

スマートフォン向けアプリ「Brother 年賀状プリント」を使うと、手軽に年賀状の通信面や宛名面を作成できる

「Brother 年賀状プリント」を起動すると、「年賀状作成」と「年賀状アルバム」の2つのメニューが表示される。「年賀状作成」を選ぶと、年賀状の通信面や宛名面の作成ができる。

高精細かつ画面が大きいスマートフォンならではの、わかりやすいメニューが表示される

「年賀状作成」には、「デザインテンプレート」「写真レイアウト」「お気に入り素材合成」の3つのメニューが用意されている。まずは「デザインテンプレート」から紹介していこう。

「デザインテンプレート」は、あらかじめイラストやメッセージが割り付けられたデザインが用意されたもの。必要に応じて手書きメッセージなどを添えるだけで年賀状を作成できるため、最もシンプルで手軽に使える。

デザインテンプレートメニューを開くと、仕事相手にも送れるようなかっちりしたデザインの「ベーシック」、友達などに送れるやわらかいデザインの「カジュアル」、「妖怪ウォッチ」などのキャラクターデザインを選べる「プレミアムコンテンツ」の3カテゴリーに分かれている。

テンプレートを選ぶと、テンプレート編集画面が表示される。写真を加えることはできないが(写真を入れたい場合は次で紹介する「写真レイアウト」を使おう)、差出人名やコメントを入力して印刷できる。テンプレート編集画面で「保存」を押しておけば、デザインが完了した年賀状やデザイン途中の年賀状を保存しておくこともできる。

あらかじめデザインをいくつか作っておき、「○○さんと××さんにはデザイン1、△△さんと□□さんはデザイン2」といった感じで使い分けるのもいいだろう。

デザインテンプレートを使ってはがきに印刷してみた。光沢用紙を使ったが、印刷に出したような発色の良さが印象的だった

大人気の「妖怪ウォッチ」や「ひつじのショーン」のデザインテンプレートを印刷してみた

子どもや家族の写真を使ってオリジナル年賀状を作成

子どもの写真や家族の写真を使ってオリジナル年賀状を作りたいという人には「写真レイアウト」メニューがおすすめだ。

こちらもデザインテンプレートメニューと同様に「ベーシック」、「カジュアル」、「プレミアムコンテンツ」の3つに分かれている。大きく異なるのは、写真をはめ込めるようにすべて「顔出し看板」のようなデザインになっているということだ。

デザインを選ぶと、写真をはめ込む部分に「+」のマークが付いたテンプレート編集画面が表示される。「+」マークを押すと写真の選択画面が表示されるので、スマートフォン内に保存した写真から好みのものを選ぶと「写真編集」画面に移る。

写真編集画面では、枠内に表示される部分を指定できるので、矢印マークをドラッグして範囲選択したら「完了」ボタンを押す。写真をはめ込む部分が1つの場合はこれで終了だが、2つ以上の場合は同じように「+」マークを押して写真を設定する。デザインテンプレートメニューと同様に、差出人名やコメントを追加したら作成完了。ここで印刷してもいいが、先ほどと同じように保存することを忘れないようにしよう。

テンプレートから好みのものを選択し、スマートフォンに保存してある写真を選んで印刷範囲を指定する

コメントや差出人名を入力すればデザインのできあがりだ

「写真レイアウト」機能を使って印刷してみたもの

お気に入りのファブリックなどを年賀状の背景に

「お気に入り素材合成」は、なかなかユニークな機能だ。これは、用意されているデザインテンプレートの背景を好きな素材に変えられるというもの。例えば千代紙や包装紙、ランチョンマットなどで気に入った柄があれば、それを背景にすることができる。

使い方はとてもシンプル。「写真レイアウト」メニューではスマートフォンに保存した写真を利用したが、お気に入り素材合成はPRIVIOシリーズのスキャナー機能を利用する。好みのテンプレートを選んだら、スキャナーに好きな包装紙や生地などを載せてスキャンするだけで、テンプレートの背景をデータに変えてくれる。

和服の生地を使ってスキャンしてみた

背景がスキャンした素材になっているのが分かるだろうか

2015年はひつじ年だから、お気に入りのウールのセーターを背景に選んでみるというのも面白いかもしれない。先ほど紹介したデザインテンプレートや自動写真レイアウトよりもセンスが問われることになりそうだが、密かにオリジナリティーを追求できるところが興味深い。

お気に入り素材合成機能は本体のスキャナーだけでなく、スマートフォン内の写真を選んで背景にすることもできる。ラーメン好きならラーメンの写真、囲碁好きなら碁盤の写真などをあしらってもいいかもしれない。普段からスマートフォンで、日常生活の写真を"ライフログ"として記録している人なら、素材として使える写真がたくさん見つかるのではないだろうか。

お気に入り素材合成の画面

テンプレートを選び、スマートフォンに保存した写真の中からラーメンの写真を選んでみた

ラーメンの写真って……なんて思っていたものの、できあがりはなかなかこだわりを感じさせるものに!