2014年春モデルとして登場した「ThinkPad X1 Carbon」は、2012年夏に発売された初代「ThinkPad X1 Carbon」をフルモデルチェンジした「新しいThinkPad X1 Carbon」だ。14型ノートPCとして世界最薄・最軽量となるボディはカーボン繊維素材を採用したことで耐久性も高い。さらに機能を拡張できる「ThinkPad OneLink プロ ドック」も用意されている。ビジネスの要求に応え、ユーザーニーズに合わせたカスタマイズも可能なこのモデルを試用してみた。

スムーズなビジネスを実現する「新しいThinkPad X1 Carbon」の実力

「ThinkPad X1」シリーズといえば、PCを使い込んできたベテランユーザーが好んで選択する、使いやすく信頼できるモデルだ。初代「ThinkPad X1 Carbon」も魅力的なUltrabookとして人気だったが、「新しいThinkPad X1 Carbon」では全面的なリニューアルが行われ、さらに魅力的なモデルとなった。

試用機の構成は、CPUにインテル Core i7-4600Uを採用し、8GBのメモリと512GBのSSDを組み合わせたものだった。OSはWindows 8.1 Proが搭載されており、「新しいThinkPad X1 Carbon」のカスタマイズメニューで最上位構成を選択したものとなっている。CPUが1世代新しいものになったのはもちろん、全体的なスペックアップも行われていることがよくわかる。

その性能については、Windowsの快適さの指標となる評価プログラム「WinSAT」の実行結果を、Windowsエクスペリエンスインデックスの項目に合わせた形で紹介しておこう。

●Windowsエクスペリエンスインデックス(WinSAT)

プロセッサ 7.4
メモリ 7.7
グラフィックス 5.9
ゲーム用グラフィックス 5.4
プライマリハードディスク 8.1

グラフィックス機能が低めになるのは、CPU内蔵のインテル HD グラフィックス 4400を採用しているためだ。最新の3Dゲームなどを楽しむには少々厳しいものの、それ以外の用途ならば困ることはまずない。そして、グラフィックス以外の基本性能が非常に高いことに注目したい。

また、ディスプレイは2560×1440ドットの超高解像度14型パネルが採用されているおかげで、14型という画面サイズから考えるよりも広々と作業できるのも嬉しい点だ。

外装はブラック基調だが、従来のマットブラックからグラファイトブラックへと明るめの色調に変更されている。落ち着いた黒であることは共通しているが、地味すぎることもなく見映えのよいマシンだ。

外見的な変化として特に嬉しいのは、インタフェースの充実だろう。本体左側面に電源コネクタ、HDMIポート、Mini Display Port、USB 2.0ポート、ヘッドフォン/マイクコンボジャックが並ぶ。右側面にはUSB 3.0ポートと、有線LANポートだ。外部ディスプレイ出力用としてHDMIポートが増えており、有線LANポートが搭載されたことでビジネスの現場でさらに使いやすくなったといえるだろう。

左側面に電源コネクタ、HDMIポート、Mini Display Port、USB 2.0ポート、ヘッドフォン/マイクコンボジャックを配置

右側面にはUSB 3.0ポートと有線LANポートが並ぶ

ヒンジ側にはSIMスロットがあるが、国内版では利用できない

ディスプレイ上部には720p HDカメラが埋め込まれている

実力面ではかなり期待できるニューモデルだが、実際に利用するとなると薄型モデルでは耐久性や拡張性に不足を感じることも多い。しかし「新しいThinkPad X1 Carbon」はそれに対しても十分な対応を用意している。この点については次ページで紹介しよう。